約29万件の引用URLを分析し、相談窓口系プロンプトでは公的機関回答率が61.31%に達することが判明
Optyino.ai(オプティーノエーアイ)は、AI検索時代のブランド露出を可視化・最適化するGEO/AIO/LLMOプラットフォームであり、そこに蓄積されたAI回答ログをもとに、YMYL(Your Money or Your Life)領域の生成AI回答における公的機関URLの引用実態を分析しました。
本調査では、「老後の資金について相談できる場所を教えてください」「積立NISAをやりたいのですが、どうすればいいか全然分かりません。教えてくれる場所はありますか?」「東京で注文住宅を検討しています。おすすめのハウスメーカー教えて」など、金融・保険・税務、住宅・不動産、医療・健康・美容、教育・資格、法律・公的手続きにまたがるYMYL領域のプロンプト40件を対象に、2025年8月11日から2026年7月10日までに取得されたAI回答31,875件を分析しました。
調査サマリー
分析対象の生成AI回答31,875件から抽出した引用URLは300,896件で、同一回答内の重複を除いた集計対象引用URL数は290,817件でした。
このうち政府・自治体・公的機関のURL(以下、公的機関URL)は8,829件にとどまり、集計対象引用URL全体に占める割合(公的機関引用率)はわずか3.04%でした。
一方、回答単位で見ると、31,875件のうち5,253件(16.48%)は少なくとも1件の公的機関URLを含んでおり、回答単位で見た場合に公的機関URLを含む割合(公的機関回答率)はURL単位の割合より5倍以上高くなっています。
AIモデル別では、公的機関回答率がChatGPTで46.66%と突出して高く、Claudeでは2.22%と最も低く、両者には最大で約21倍の差がありました。
またプロンプト別では、「老後の資金相談」を尋ねる質問で公的機関回答率が61.31%に達するなど、相談窓口や依頼先を尋ねるプロンプトほど公的機関URLが引用されやすい傾向も見られました。
調査の背景
YMYL(Your Money or Your Life)は、Googleの検索品質評価ガイドラインで使われる用語で、金融・医療・法律・防災など、人の資産や健康、生活に大きな影響を及ぼしうる情報領域を指します。
この領域では情報の正確性・信頼性が特に重視されており、検索エンジンだけでなく生成AIの回答においても、専門性や権威性の高い情報源からの引用が期待されます。
その意味で、政府・自治体・独立行政法人などの公的機関が発信する情報は、YMYL領域における「権威性の高い情報源」の代表例といえます。
しかし、生成AIが実際にどの程度公的機関のURLを引用しているのか、AIモデルや質問内容によってその頻度がどう変わるのかは、これまで十分に可視化されていませんでした。
そこでOptyino.aiでは、YMYL領域のプロンプトに対するAI回答ログを対象に、公的機関URLの引用実態を定量的に分析しました。
主な調査結果
公的機関URLの引用率はわずか3.04%--しかし回答の16.48%には最低1件登場
集計対象の引用URL290,817件のうち、公的機関URLは8,829件で、全体に占める割合(公的機関引用率)は3.04%でした。
一方、回答単位で見ると、分析対象の31,875件のうち5,253件(16.48%)は少なくとも1件の公的機関URLを含んでおり、URL単位の割合よりも回答単位の割合のほうが5倍以上高くなっています。
これは、公的機関URLが引用される回答1件あたり平均で約1.68件(8,829件÷5,253件)の公的機関URLがまとめて引用されていることを意味します。
つまり、生成AIはYMYL領域の質問全般に薄く公的機関を引用しているのではなく、特定の質問パターンに対してのみ、まとまった件数の公的機関URLを提示する形で引用を集中させていると考えられます。
公的機関の内訳は独立行政法人・公的法人が最多42%--中央省庁単体を上回る

公的・教育研究機関に分類されたURL9,049件のうち、公的機関・独立行政法人等が3,805件で42.05%を占め、最大のカテゴリとなっています。
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/124655/table/21_1_8e12b81d0047645892d7942e6e7d03ff.jpg?v=202607130145 ]
公的機関・独法等は回答率も8.00%と全分類中最も高く、政府・中央省庁の7.23%をわずかに上回りました。
これは、消費生活相談や年金相談、貿易・産業支援など特定分野の実務窓口を持つ独立行政法人・公的法人のURLが、幅広いプロンプトで引用されやすいためだと考えられます。
教育・研究機関、海外政府機関を含む残り2分類の内訳・回答率を含む分析データはこちらを参照:
https://optyino.ai/press/ymyl-official-institution-citation-rate
AIモデル別に見る公的機関引用の格差--ChatGPTは46.66%、Claudeは2.22%

8モデルの比較では、公的機関回答率がChatGPTの46.66%からClaudeの2.22%まで、最大で約21倍の開きがありました。
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/124655/table/21_2_8f061142bd92de05bdd116ae7ee9d538.jpg?v=202607130145 ]
ChatGPTは公的機関URL率(集計対象URLに占める公的機関URLの割合)も15.79%と他モデルの約5.5倍(Grok比)から約31.6倍(Claude比)に上り、公的機関回答率だけでなくURL単位でも突出して公的機関を参照する傾向があります。
一方Claudeは公的機関URL率・公的機関回答率のいずれも8モデル中最低で、公的機関以外の情報源を優先している可能性があります。
同じYMYL領域の質問であっても、利用する生成AIサービスによって受け取る情報源の性格が大きく変わる点は、AI検索時代の情報発信を考えるうえで無視できないポイントだと考えられます。
残り4モデル(Perplexity・Gemini・Copilot・Claude)を含む詳しいデータはこちらを参照:
https://optyino.ai/press/ymyl-official-institution-citation-rate
「相談窓口」を尋ねるプロンプトほど公的機関依存度が突出--最大で平均の3.7倍

「老後の資金相談」を尋ねるプロンプトでは公的機関回答率が61.31%に達し、全体平均16.48%の約3.7倍でした。
[表3: https://prtimes.jp/data/corp/124655/table/21_3_ae6f12c2e6c8527ca4c29360b894a8a3.jpg?v=202607130145 ]
相談窓口や依頼先を尋ねる質問ほど、消費生活相談や年金相談、地方自治体の相談窓口といった公的機関のページが引用されやすい一方、特定商品・サービスの比較や推薦を求める質問(プロテインやハウスメーカーなど)では公的機関URLの引用率は1%を大きく下回りました。
残りのプロンプト(積立NISA、プロテイン、ハウスメーカーなど)の結果はこちらを参照:
https://optyino.ai/press/ymyl-official-institution-citation-rate
調査から分かる考察
今回の調査から、YMYL領域における生成AIの公的機関URL引用は、量としては限定的でありながら特定の条件下では大きな存在感を持つという二面性が明らかになりました。
集計対象引用URL全体に占める公的機関URLの割合は3.04%にとどまる一方、回答単位では16.48%に登場しており、公的機関URLは一部の回答に集中的に引用される傾向があります。
AIモデル別の格差も顕著で、ChatGPTの公的機関回答率46.66%に対しClaudeは2.22%と、モデル選択だけで登場頻度が最大約21倍変わります。
ChatGPTのように公的機関URLを積極的に引用するモデルではURL構造の整備や一次情報の公開が引用機会に直結しやすい一方、Claudeのように登場頻度が低いモデルでは、比較記事やメディア露出など別の経路での情報流通を意識する必要があると考えられます。
またプロンプトの性質による差も大きく、「相談できる場所はどこか」という相談窓口系の質問では公的機関回答率が30%台~60%台に達する一方、商品・サービスの比較や推薦を求める質問では1%未満にとどまりました。
YMYL領域で自社の引用機会を広げたい事業者は、相談窓口系のプロンプトで公的機関と直接競合するよりも、比較・推奨型の質問文脈に強いコンテンツ(比較表、専門家監修の解説記事など)を整備するほうが、現実的に引用を獲得しやすい可能性があります。
逆に公的機関や自治体の側では、相談窓口ページのURL構造やタイトルの分かりやすさを維持・強化することが、今後もAI回答における露出を保つうえで有効な施策になると考えられます。
調査概要
- 調査主体: Optyino.ai(株式会社Wallabee)
- 分析対象: Optyino.ai上のAI回答ログ(回答ステータスが完了しているデータのみ)
- 調査期間(回答取得期間): 2025年8月11日~2026年7月10日
- 対象プロンプト: YMYL領域の40件(金融・保険・税務14件、住宅・不動産8件、医療・健康・美容8件、教育・資格8件、法律・公的手続き2件)
- 分析対象回答数: 31,875件
- 抽出引用URL数: 300,896件
- 主な分析指標: 公的機関URL数、公的機関引用率、公的機関回答率、AIモデル別の公的機関URL率・回答率、公的分類別の内訳、プロンプト別の公的機関回答率
注記
※本記事における「公的機関」は、go.jp・lg.jpや政府系gov系ドメイン、日本銀行など公的性格が明確な機関のURLを対象としています。
※ac.jp(大学など教育・研究機関)のURLは参考分類として別途集計しており、記事中の主な指標である公的機関URL数・公的機関引用率・公的機関回答率にはこれを含めていません。参考値として示す「公的・教育研究機関URL率」(3.11%)は、主指標にac.jpのURLを加えて算出した値です。
※抽出引用URL数は、AI回答に含まれる引用URL関連の情報を単純合計した件数です。同一回答内で重複するURLを除いた件数を「集計対象引用URL数」として、各種割合の算出に使用しています。
※favicon・ロゴ・サムネイルなど、回答本文の引用とは言えない画像URLは集計から除外しています。
※分析対象は、生成AIからの回答取得が正常に完了したデータのみです。
※公的機関引用率は「公的機関URL数 ÷ 集計対象引用URL数」で算出しています。
※本文中の「ChatGPT」「Claude」「Gemini」「Grok」「Perplexity」「Copilot」「Google AIモード」「Google AI Overview」は、分析上ではそれぞれ「gpt-5.2」「claude-sonnet-4-5」「gemini-2.5-flash」「grok-4」「sonar-pro」「bing-copilot」「google-ai-mode」「google-ai-overview」というモデルのデータに対応します。
※本記事の内容は情報収集・分析を実施した時点のものであり、公開時点では状況が変化している、または情報が古くなっている可能性があります。
※本調査は生成AIのAPI等を通じて取得した回答データを分析したものであり、実際のユーザー体験・検索結果とは異なる場合があります。
※数値は調査時点のものであり、AIモデルのアップデート等により変動する可能性があります。
Optyino.aiとは

AI時代のブランドを可視化する、生成AIエンジン対策(GEO/LLMO/AIO)ツール。
ChatGPTやPerplexity、Geminiなどの生成AIにおいて、自社ブランドがどのように言及・引用されているかを分析し、AI検索時代における新しいマーケティング指標を提供します。
表示スコアや引用分析、ブランドシェアなどのデータを通じて、企業が「AIに選ばれるブランド」になるための改善アクションを支援します。
サービスURL: https://optyino.ai/
本調査データの引用について
本調査データを引用する際は、「株式会社Wallabee/Optyino.ai」および元記事URLの記載をお願いいたします。
元記事URL:https://optyino.ai/press/ymyl-official-institution-citation-rate
会社概要
会社名: 株式会社Wallabee
所在地: 東京都渋谷区桜丘町18番4号 二宮ビル1F-92
事業内容: GEO・LLMO領域の研究・プロダクト開発、AI検索対策支援、Webマーケティング支援
サービス: https://optyino.ai/
URL: https://wallabee.co.jp/