熊本県人吉球磨地域の人吉球磨観光地域づくり協議会は、「人吉・球磨 風水・祈りの浄化町」をコンセプトにした、“風水”による新たな町おこしプロジェクトに取り組んでいる。
“風水”による町おこし
同プロジェクトは、人吉球磨が本来持つ自然・神社仏閣・温泉等の独自の資源を「人吉・球磨 風水・祈りの浄化町」という新たなコンセプトで再定義し、その認知度やブランド力の向上を図ることで「人吉球磨を日本を代表する地方にする」ことを目的としている。官民一体となった“風水”による町おこしは、全国でも類を見ない取組だ。
人吉・球磨 風水・祈りの浄化町を構成する5つの事実
「人吉・球磨 風水・祈りの浄化町」を構成する5つの事実を見ていこう。
■人吉球磨は三日月の町
風水の思想の中で、“気”が溜まる最適な場所は盆地とされる。人吉球磨地方も同じく盆地であるが、三日月の形をしていることがその特徴だ。歴史書『南藤蔓綿録』には、この「三日月盆地」を長きにわたり統治した相良家の拠点とした人吉城がかつて「三日月の城」と呼ばれていたという記述がある。
また、人吉城にて霊石・三日月石が見つかっている。
■人吉城を中心とした風水設計
戦国時代に作られた風水都市・人吉。『日本城郭大系<第18巻>』には、人吉城の陰陽道思想(風水)に基づいた城下町設計に関する記述があり、人吉球磨全域で人吉城(三日月城)を中心に神社仏閣の配置や建築のデザインなどに風水設計が見られる。天門(北西)が青井阿蘇神社、鬼門(北東)が願成寺、裏鬼門(南西)が永国寺となっている。
■祈りの町
熊本県における国・県指定文化財のうち、神社仏閣の約80%が人吉球磨に存在する。浄心寺をはじめとする球磨に展開する仏教美術は、仏教における理想郷・極楽浄土への“祈り”のイメージと通ずる。
■心と体を浄化する独自の資源
かつてより日本有数の秘境として知られる人吉球磨。神社仏閣だけでなく、12年連続水質日本一の川辺川・球磨川に代表される水の美しさなどの自然や、温泉、焼酎といった“心と体を清める”資源を豊富に持っている。
■相良家に由来する人吉球磨の独自の文化
鎌倉時代から明治維新まで700年以上にわたり、人吉球磨を治めた日本を代表する戦国大名・相良家。長い統治の結果、相良家の祈り深い家柄を反映した独自性の強い歴史や文化が作られたという。
ブランド価値の向上と地域への誘客に向けて
同プロジェクトでは、今年度、ブランドムービーやパンフレット制作、インフルエンサーの招聘を通じて、「人吉・球磨 風水・祈りの浄化町」のコンセプトを体感するためのツール・情報発信を行い、ブランド価値の向上と同地域への誘客に取り組んでいる。
人吉球磨の“再生・復興”への願いも
また、同プロジェクトは、令和2年7月の豪雨により甚大な被害を受けた人吉球磨の“再生・復興”に向けたプロジェクトでもある。
古来より満ち欠けを繰り返す月は再生のシンボルとされていた。キービジュアルは、人吉球磨地域を象徴し、霊石・三日月石・三日月城・三日月盆地を連想させる、三日月と石垣の組み合わせとなっている。
今後「三日月」を軸とした商品・サービス開発、イベント“三日月詣”等の展開を行い、来年度以降も継続して「人吉・球磨 風水・祈りの浄化町」として人吉球磨ブランドの浸透を図る予定だという。
慌ただしい日常から少しだけ離れて、人吉球磨浄化の旅へ出かけてみては。
人吉・球磨 風水・祈りの浄化町HP:https://hitoyoshifusui.com/