兵庫県川西市では、名産品のいちじくを使ったワインの限定販売や、特産品「一庫炭(菊炭)」の窯出しがスタートした。気になる情報をチェックしよう。
いちじくを使った人気のワインが今年も限定販売!
全国有数のいちじくの生産地で、現代いちじくの発祥の地として知られる兵庫県川西市のいちじく「朝採りの恵み」を100%使って作られたワイン「THE MORNING DEWDROPS -川西の朝露」が、2月8日(水)から、約3,800本の本数限定で販売中だ。
販売場所は、「JA兵庫六甲川西営農支援センター」や農協の直売所「四季の郷(しきのさと)」、川西市内の酒販店のほかに、「ファーマーズマーケット スマイル阪神」や「パスカルさんだ」など市外でも販売される。また、ふるさと納税の返礼品にもなっている。1本720mlで、小売価格は1,415円(税込)、一部店舗では1,416円(税込)。
川西市のいちじくは、一番おいしい状態で食べられるよう、完熟のものを早朝から収穫し、その日のうちに市場などに出荷するため、このような「朝採り」「完熟」の特徴をとらえ「朝採りの恵み」と命名された。
今回発売された「THE MORNING DEWDROPS -川西の朝露」は、アルコール度数は10%とやや低めで、いちじくの甘い香りとフルーティーな味わいが特長。市内の加茂・久代地区などで収穫された「朝採りの恵み」を約2.2トン使用している。
市産業振興課の担当者は「原料となるいちじくは良質で完熟のものを使用しているため、いちじくそのものを食べているようなフレッシュな風味や香りを楽しんでいただけると思います」と話している。
宅配便による発送(別途送料、箱代等必要)もしているので、希望する人は「JA兵庫六甲川西営農支援センター」に問い合わせを。
■JA兵庫六甲川西営農支援センター
住所:兵庫県川西市下加茂1-27-5
■四季の郷
住所:兵庫県川西市多田桜木2-11-21
■ファーマーズマーケット スマイル阪神
住所:兵庫県伊丹市北本町3-50
■パスカルさんだ
住所:兵庫県三田市川除677-1
高級炭「一庫炭」の窯出しが始まる
また、川西市最北部の黒川地区では、市特産「一庫炭」の窯出しが始まった。炭焼農家を営む今西学さん方では、早朝から「シャリシャリ」と炭の擦れる音が山にこだましていた。
この地区では、炭の原材料となる良質のクヌギが入手しやすいことから、室町時代ごろから炭焼きが盛んに行われるようになった。しかし、電気やガスの普及により衰退、さらに宅地開発などに伴い原材料も入手しにくくなったため、川西市内では現在唯一、今西さん宅だけがこの「炭作り」を守り続けている。
「一庫炭」は、焼き上がった炭の断面が菊の花びらの模様に見えることから「菊炭」とも呼ばれる。火付きと火持ちがよく、また立ち消えしにくい、煙が立たず静かに燃えるという特徴があり、茶席などの高級炭として重用されている。
炭焼きはクヌギなどの原木を窯に運び込む「窯入れ」から始まる。奥行き4メートル、横3メートル、高さが一番高いところで2メートルのたまご型の窯の中に、長さ1メートル、大きいもので直径10センチほどの原木を立てて並べ、天井部と原木のすき間には雑木をぎっしりと詰める。
火入れし、約800℃まで上がる窯の中で8時間かけて火を回し、計3日間焼き続けた後、密閉状態のまま4~5昼夜おいて、火が消えてから人が入れる温度まで窯の中の温度が下がれば「窯出し」をする。基本的には1工程約8日間のサイクルで行われる。
窯出し作業の際、窯の中は100~120度近い熱がこもり、約20分間ほどしか作業を続けることができないため、窯の中での作業の後、外で体を休めるといったことが繰り返される。
今回窯入れされた原木は約4トン。1回に約750キロの炭ができる。炭焼きのサイクルは、今年の5月上旬頃まで約15回程度続けられる。
今西さんは「コロナ禍が落ち着いてきて、徐々に茶席が再開されてきています。伝統ある茶道の文化を守っていくためにも可能な限り、一庫炭の生産を続けていきたいと思っています」と話している。
川西市が誇るいちじくで作られたワインや「一庫炭」に注目してみて。
川西市HP:https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/
(yukari)