介護施設への食事の提供を展開する、齋藤アルケン工業。
同社は、コロナ禍で介護施設内の催しもなくなり、楽しみも減ってしまった介護施設の入居者に少しでも元気になってもらうため、島根県立矢上高校の「食と農研究会」の生徒約10名と共同で介護施設の人気メニューであるカレーの新たなメニュー開発に取り組んでいる。
二学期に高校生たちが実際に介護施設で提供
「食と農研究会」には、都道府県の枠を越えて、地方の学校で高校生活を送る地域みらい留学で入学した生徒も所属している。高校生の介護業界の常識にとらわれないアイデアで、地元地域の食材を使った斬新なカレーメニューを8月までに開発し、二学期に高校生たちが実際に介護施設で提供する。
また、高校生には、開発や提供を通して介護業界の食事についての課題や問題点を知ってもらうことで、生徒の将来や進路選択のきっかけになって欲しいと同社は願っている。
学科の枠を飛び越えて、生徒が一緒に活動
齋藤アルケン工業とメニュー開発を共同で行う矢上高校の生徒は、食の縁結び甲子園やスイーツ甲子園出場経験のある産業技術科の生徒と食に興味を持つ普通科の生徒たちだ。
学科の枠を飛び越えて、普通科と産業技術科の生徒が一緒に活動する「食と農研究会」と実際に食事を提供する介護施設、齋藤アルケン工業の担当者が三者共同で行う。
人気のカレーを高校生のアイデアで一新
若い世代に人気のカレーは、意外にも介護施設で提供する食事の中でトップ3にランクインする人気メニュー。すべての世代に人気のカレーを、高校生のアイデアで一新し、さらに美味しいカレーの開発を目指すという。
スケジュールは、4月26日(水)に第1回目のメニュー開発会議が行われ、8月を目途にメニューを決定後、試作・試食を行い、10月(予定)にメニュー開発した高校生が実際に介護施設の厨房で調理をして、高齢者に食べてもらう流れだ。
共同開発のきっかけ
同社と矢上高校のカレーメニュー共同開発のきっかけは、コロナ禍で介護施設内でのイベントや催しがなくなったことで日々の楽しみが減り、元気がなくなった高齢者が増えたという話をよく耳にするようになったことだという。齋藤アルケン工業の食事を通して、高齢者に笑顔を届けることができないかと模索していた時に矢上高校の活動を知り、同社が依頼して開発が行われることになった。
特に地域みらい留学で神奈川県から入学した生徒が、カレーで食品ロス削減という取り組みを行っているため、介護施設の人気メニューであるカレーを高校生と一緒に考えることができれば、高齢者も喜ぶと同社は考えた。
今回開発されるメニューレシピは、他の介護施設でも提供可能にし、サービス拡大の商品として考えられている。矢上高校は、学園祭や地域の祭りなどでも販売できるようにしたいとのこと。
齋藤アルケン工業と矢上高校とのカレーメニュー共同開発の今後にも注目してみては。
■第1回メニュー開発会議
日時:4月26日(水)15:30~
場所:島根県立矢上高等学校
住所:島根県邑智郡邑南町矢上3921
(角谷良平)