“持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする”をビジョンに掲げ、全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する農業総合研究所は、国連の国際連合食糧農業機関(FAO)により「世界農業遺産」として認定されている熊本県阿蘇地域で採れたアスパラガスを「阿蘇パラ」の名称でブランディングし、販売を開始した。
世界農業遺産としての阿蘇地域
世界農業遺産とは、世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域として国際連合食糧農業機関に認定された地域のこと。今年2月現在で、世界で24カ国74地域、日本では熊本県阿蘇地域など、13地域が認定されている。
阿蘇の広大な草原は、野焼き、放牧・採草が千年もの長い間維持されてきた。この営みを通じて地域固有の文化、生物多様性、景観が形成され、今も多様で豊かな資源が守られている。
刈草は牛馬の飼料、敷料のほか、堆肥として利用されている。昔ながらの刈草の保存方法である「草小積み」は阿蘇の代表的な冬の風景。野焼きは春を迎える2月後半~4月にかけて行われ、低木を除去し、初夏にはススキなどを再び繁茂させる省力的で効果的な草原管理技術だという。
JA阿蘇のアスパラガスをブランディング
農業総合研究所は、素晴らしい魅力を持つ日本各地の「世界農業遺産」の農作物を積極的にブランディングし、今回の「阿蘇パラ」はその第一弾となる農作物。JA阿蘇から提供されたアスパラガスを同社がブランディング。そして、東果大阪と東京シティ青果の協力を得ながら、販売していく。
また、阿蘇は全国でも有数のアスパラガスの産地。阿蘇の気候は夏涼しく、冬は寒さが厳しい、さらに朝晩の寒暖差も大きいのが特徴だ。
さらに火山灰によって形成された、ミネラル満点で水はけのよい土壌。このミネラルを豊富に含んだ土壌から湧き出す阿蘇地域の水。こうしたアスパラガスの生育に最適の自然環境が甘みや栄養成分を増し、美味しいアスパラガスを生み出している。
「世界農業遺産」シリーズ第一弾として販売される「阿蘇パラ」を、この機会に食べてみては。
農業総合研究所:https://nousouken.co.jp/
世界農業遺産とは(出典:農林水産省):https://www.maff.go.jp/j/nousin/kantai/giahs_1_1.html
(江崎貴子)