島根県の宍道湖畔にある老舗旅館「皆美館」は、「美爽沐灑 karada&kokoro蘇る」をコンセプトに、「爽々」「滔々」「悠々」のスパ・スイート3室を7月1日(月)にオープン。美肌の湯とプライベートサウナでカラダとココロを整えられる、同館唯一の露天風呂付客室が誕生した。
多くの文人墨客が宿泊した明治創業の宿
「客のこころになりて亭主せよ」というのは、松江藩の7代目藩主であり、大名茶人としても有名であった松平治郷(号 不昧)の言葉だ。皆美館は、明治21年の創業以来この言葉を社訓として、来館者への心遣いとおもてなしの精神を受け継いでいる。
同館には創業以来、小泉八雲、芥川龍之介、川端康成、武者小路実篤、河井寛次郎、岡本太郎など多くの文人墨客が宿泊してきた。島崎藤村が令息と来泊した際は、『山陰土産』に松江の風光の美しさと皆美館の居心地の良さを書き、三泊の予定が五泊の滞在となった。帰り際に主のために「芭蕉の言葉」を揮毫したものを今も床の間に飾っており、記念の部屋「藤村の間」として当時のまま保存している。
2007年には、「藤村の間」など古くから愛されている部屋はそのまま残しつつ、「松江宍道湖畔 文人ゆかりの宿 皆美館」「庭園茶寮 みな美」と名称を変更し、食により一層力を入れた和のオーベルジュとして生まれ変わった。
夕食は、自然の幸に恵まれた山陰ならではの旬の食材を使い、代々受け継がれる滋味深い味わいを堪能できる会席料理を提供。朝食は、そぼろにした鯛の身を、ゆでた卵の白身のみじん切りや、裏ごしした黄身と一緒にご飯の上にのせ、ワサビ、大根おろし、ねぎ、海苔を添え、特製出汁をかけて食べる、皆美家伝「鯛めし」が味わえる。
日本庭園ランキングに何度も入賞
部屋や庭園茶寮から臨む庭園は、樹齢300年という名木を中心に、宍道湖を借景とする枯山水庭園。西側の中心にある3本の松は、黒松を「夫」、赤松を「妻」、低い松を「子」と見立て、仲良く寄り添う親子の幸福な姿を表現している。
アメリカの日本庭園専門誌『数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』が日本国内の日本庭園約1000カ所を対象に実施している日本庭園ランキングには何度も入賞し、2022年と2023年には2年連続で4位に選ばれた。
露天風呂温泉やプライベートサウナ付きの3室が誕生
2024年2月には、これまでは部屋に温泉がなかった「末次」「北堀」「瓢庵」も温泉風呂となり、すべての客室で温泉を楽しめるようになった。
今回、「文化と美食の湯宿」へと題し、「爽々」「滔々」「悠々」の3室が新たにオープン。新しく加わる3部屋では、いずれも露天風呂温泉、セルフロウリュ、プライベートサウナが楽しめる。
「爽々」は、テラス約15㎡含む約91㎡、定員2〜6名の和洋室。家族でもゆったり過ごせる広々とした部屋だ。プライベートサウナで身体を整えながら、贅沢な時間を過ごそう。
「滔々」は、テラス約15㎡含む約68㎡、定員2〜3名の和洋室。落ち着いた設えの中で、好きな時間にサウナに入ったり、露天風呂に浸かったり、じっくり滞在を楽しめる寛ぎの空間だ。
「悠々」は、テラス約12㎡含む約65㎡、定員2〜3名の洋室。少人数で、日常から離れた空間にて悠々と贅沢な時間を楽しめる。
露天風呂温泉やプライベートサウナ付きの3室が新登場した皆美館で、ゆったりした滞在を楽しんでみては。
■皆美館
住所:島根県松江市末次本町14
公式サイト:https://www.minami-g.co.jp/minamikan
(山本えり)