日本酒文化を学び、おしゃれに日本酒を楽しむ、酒にまつわる大人の嗜み講座「酒にまつわる大人の嗜み講座」が、日本の酒情報館にて、次回9月17日(火)に開催される。
飯野先生による「酒にまつわる大人の嗜み講座」
全国約1,600の酒類(日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりん)メーカーが所属する、日本酒業界最大の団体・日本酒造組合中央会(以下、中央会)は、國酒の魅力に直接触れて知ることができる「日本の酒情報館(以下、情報館)」を企画・運営。日本酒の魅力やトレンドをより多くの人に知ってもらうため、随時、情報発信をしている。
情報館では、日本酒を歴史・文化とともに楽しんでもらう提案の一環として、現在に続く日本酒文化の基本と言われる江戸の食文化と、その文化背景を学ぶ「酒にまつわる大人の嗜み講座」を、7月18日(木)に開催。
当日は、酒を主役に楽しむ居酒屋文化が、酒どころの関西ではなく江戸で開花し、江戸の町でどのように大衆に楽しまれていたのかについて、土用の丑の日に因んだ「夏を彩る江戸っ子の肴」をテーマに講座が行われた。講師は、江戸食文化史の第一人者のひとりであり、服部栄養専門学校理事・講師を務める飯野亮一先生だ。
江戸時代の日本酒・食文化を学ぶ
江戸で飲まれていた酒は、下り酒の諸白(もろはく)といわれる現代の上等な酒が中心で、上方(畿内地方)から船に積まれ10日程波に揺られながら運ばれてきた酒は、熟成して美味しくなると話してくれた飯野亮一先生。
ほかにも、濁り酒もかなりの量が出回っており、諸白よりもっと安く買うことができたそう。当時は、酒屋で酒を購入し自宅で飲むスタイルが定着し、酒屋で大きな徳利にお酒を注いでもらう「量り売り」で酒を買っていたと言われているそうだ。
酒の肴の購入に関しては、振り売りという、笊(ざる)や木桶、木箱やカゴを前後に取り付けた天秤棒を振り担いで、呼び声をあげながら商品を売り歩く形式が一般的で、家にいながらにして季節の「酒の肴」を入手でき、24種と多種多様な食材が扱われていて、まるで「移動式のスーパーやデパートの食品売り場」とコメントしていた。
江戸時代中期になると、客が酒屋で買った酒を待ちきれずに現代の角打ちのようなスタイルで、酒屋で酒を飲むようになったことが居酒屋の起源になったとのこと。その後、酒屋が酒の肴を充実させていき、現代の居酒屋スタイルになっていったそうだ。
振り売りから様々な食べ物を入手できた江戸時代だが、飯野亮一先生は、夏の時期に楽しまれていた代表的なものとして、振り売りの蒲焼、
夕河岸の鯵売り、
新芋(里芋)、ゆで豆(枝豆)、おでん等についても解説。
参加者は講座の後に、江戸文化を感じるお弁当と、
燗酒・冷酒を楽しんだ。
情報館の今田周三館長コメント
今回のイベントを企画した、情報館の今田周三館長は、「日本料理は室町時代に独自の発展を遂げ、江戸時代に完成されたといわれています。歴史に培われた日本の食文化の本質を大人の嗜みとして、知って楽しんで頂き次の世代にもつなげてゆきたい」とコメント。
イベントの参加者は「江戸時代の食は質素なイメージがあったが、酒をいかに楽しむかという様々な工夫と共に発展し、創造よりも豊かで人々が食や酒をとても楽しんでいる印象を受けた」と笑顔を浮かべていたという。
次回の講座は9月17日(火)に開催
情報館では、引き続き「酒にまつわる大人の嗜み講座」をシリーズ化し開催する予定。
次回「講談と和菓子で楽しむ日本酒の夕べ」は、9月17日(火)18:30~20:00に開催され、現在Peatixにてチケットを販売中だ。
その後、11月20日(水)18:30~20:00に「酒にまつわる大人の嗜み講座 江戸の燗酒」、2025年1月15日(水)18:30~20:00に「浪曲と和菓子で楽しむ日本酒の夕べ」を開催。詳細は、後日公開される予定となっている。
この機会に、日本酒文化を学び、おしゃれに日本酒を楽しめる講座に参加してみては。
■日本の酒情報館
住所:東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル1F
HP:https://japansake.or.jp/JSScenter
「講談と和菓子で楽しむ日本酒の夕べ」チケット予約:http://jss-event8.peatix.com
(佐藤ゆり)