1789年創業の老舗醤油蔵・笛木醤油は、235周年記念事業として、10月22日(火)~11月3日(日・祝)の期間で、醤油約9000ℓを製造できる50石の大桶を製作中。11月3日(日・祝)に、50石大桶完成披露を行う予定だ。
また、併せて「創業235周年創業祭」を11月2日(土)~4日(月・休)の3日間開催。巨大な桶づくりを間近で見学できるほか、櫂(かい)つき体験や搾りたての生しょうゆの味見、生醤油や特別グルメの販売なども予定している。
わずか1%の木桶仕込みの醤油を未来へ繋げるために
木桶による醤油の製造は、ステンレスやタンクで人工的に発酵を早く進める方法よりも、時間や手間がかかるため、現在では醤油全体の生産量のわずか1%にまで減少しているのだそう。
しかし笛木醤油は、木桶内で酵母菌などの微生物が生き続けじっくりと発酵が進み、唯一無二の美味しい醤油ができると自負している。そして何より、和食文化の根幹を担う「醤油」を昔ながらの伝統製法を守りながら作り続けることに、老舗企業としての使命を感じているという。
木桶仕込みを未来に持続させるためには、「木桶」を造る職人がいなくてはらない。ところが、かつては酒蔵や味噌蔵などで多く使われていた木桶が今ではほぼなくなってしまい、それとともに木桶職人も減少していったのだそう。
そこで、日本の発酵醸造文化が様変わりする中で、伝統的な製法を繋げるために、このたび醤油職人と木桶職人がタッグを組んだ。
約150年ぶりの挑戦!過去最大級の巨大木桶づくり
笛木醤油では、2016年に50年ぶりに木桶づくりを再開し、2018年20石(醤油約3600ℓ製造)、2021年30石(醤油約5400ℓ製造)と毎回スケールアップ。2016年当初からの目標であり、笛木醤油をはじめ埼玉県や関東地域で最大とされている50石の大桶づくりは、同社では明治時代から約150年ぶりの挑戦となる。
過去最大級の巨大な新桶づくりのために、現在は数少ない桶職人たちが集結。60枚の杉の板を1本の金釘も使わずに木桶を造り上げ、いよいよ11月3日(日・祝)に完成披露を行う予定だ。
このサイズの桶の製作を間近に見られるのは、首都圏ではほぼなく、100年に1度というほどの貴重な機会となるという。
創業祭では櫂つき体験や特別グルメ販売、工場見学など
「創業235周年創業祭」では、巨大な桶づくりを間近で見学できる。
また、11月3日(日・祝)・4日(月・休)は、しょうゆの素となる「もろみ」をかき混ぜる櫂つき体験や搾りたての生しょうゆの味見、一般には流通しない生醤油の限定販売やこの日だけの特別グルメの販売なども予定している。
さらに、笛木醤油が「木桶仕込み」を広く知ってもらうことを目的に2019年にオープンした「金笛しょうゆパーク」にて、無料で参加できる工場見学「金笛しょうゆ楽校」も要チェック。10:30~15:30の間に、11月2日(土)は30分おき、11月3日(日・祝)・4日(月・休)は15分おきに開催される。事前予約できるが、当日受付でも参加可能だ。
「金笛しょうゆ楽校」では、12代目当主・吉五郎氏をはじめ、実際にしょうゆ造りに携わる職人が、自らその想いやしょうゆの魅力を伝える唯一無二の内容で、しょうゆが何からどうやってできるかを学校形式で楽しく学べる。昨今は、世界中から多くのインバウンドも訪れているそう。
「しょうゆ蔵のレストラン」と「バウムクーヘン工房」
そして、併設する「しょうゆ蔵のレストラン」のメニューや、「バウムクーヘン工房」の商品も見逃せない。
同店では、“しょうゆの美味しさを出汁で伝える”をコンセプトにした自家製めんのうどんメニューを中心に用意。木桶職人がハンドメイドでつくったちいさな木桶にうどんが入った「木桶うどんおばんざいセット」や、しょうゆの味比べができる「食べ比べうどん」を味わえる。
また、キャラメルのような味わいで人気の「しょうゆのソフトクリーム」や、
工房で焼き上げる「しょうゆバウムクーヘン」も楽しめる。
「創業235周年創業祭」に参加し、貴重な巨大木桶づくりを間近で見たり、櫂つき体験やグルメなどを楽しんだりしてみては。
■創業235周年創業祭
日時:11月2日(土)~4日(月・休) 10:00~15:00
場所:笛木醤油 本社・金笛しょうゆパーク
住所:埼玉県川島町上伊草654
費用:桶づくり見学や工場見学は無料、買い物や食事は別途有料
笛木醤油 URL:https://kinbue.jp
(Higuchi)