
横浜駅西口の映画館ビル「相鉄ムービル」が、9月30日(水)に閉館する。
その最後の約3か月間、ビル内の壁面そのものを舞台に、毎週続きが描き足されていく壁面マンガ「週刊ムービル ~ムビィの大活劇」を7月3日(金)より展開中だ。
世界に類を見ない「ミューラルアート」の試みが開始

来場者は連載を追うように建物へ通い、描いている途中の制作現場に立ち会うことができる。物語は閉館後の「相鉄ムービル」にて、10月3日(土)と4日(日)に開かれるアートフェス「Story Crossing Art Fes」で完結する。

まもなく解体される映画館ビルの壁面に直接、週刊連載のようにマンガを描き、更新し続けていく。こうした形式のミューラルアートは、世界に類を見ない試みだ。「ミューラルアート」とは、建物の壁面に直接描く大型の壁画のこと。
連載期間は9月30日(水)までの予定で、7月の公開制作日は7月3日(金)、10日(金)、16日(木)、25日(土)。いずれも午後を予定。

8月・9月の公開制作日程は追って公開となる。また会期中は、マンガに限らない多種多様なアーティストとのコラボレーションも予定している。
完成や所有を前提としない「まんが0.1」の実践

「週刊ムービル」では毎週物語が描き足され、来場者は連載を追うように建物へ足を運ぶことができる。下描きのままの箇所も、描いている途中の手も、そのすべてが作品だ。
1〜4階を縦断して描き進められる絵は、やがて壁を越え、館内の飲食店の中にまで拡大。建物そのものが、まるごと一冊のマンガ雑誌へと変わっていく。

2代目「相鉄ムービル」オープン時(©相鉄グループ)
そして、ビルの解体とともに壁の絵も失われる。その消えていく瞬間までを含めて、ひとつの作品と捉えている。

完成や所有を前提とせず、街や人へとひらいていく。同企画は、制作・プロデュースを手がけるツクリバ編集室が「まんが0.1(レイテンイチ)」と呼ぶ表現の実践でもある。
壁面マンガの「表」と「裏」が2つの作品で同時進行

マンガの主人公キャラクターのムビィは、各地の映画館をねぐらに自堕落な日々を送っていたが、ムービル閉館をきっかけに、再び大きな事件へと巻き込まれていく――という設定だ。
壁面マンガ制作の「舞台裏」は、フィクションの物語として展開する。壁面マンガの「表」と「裏」が2つの作品で同時に進む。

横浜駅西口を舞台に人生の再起動を描くマンガ「海なんて見えないヨコハマ」として、マンガ雑誌ZINE「月刊ムービル」に連載。
同誌は相鉄ムービルのほか、相鉄ジョイナス、THE YOKOHAMA FRONT 42階 Vlag yokohama、星天qlay PILE、ジョイナステラス二俣川、ゆめが丘ソラトスなどで無料配布予定だ。

なお、上のビジュアル画像は制作中のもの。変更になる場合がある。
プロジェクトによって交わる5つの「交差」

今回のプロジェクトによって交わる、5つの「交差(Crossing)」がある。1つ目は場所と物語。相鉄ムービルには、訪れた人の数だけ思い出が積もっている。その記憶を壁面マンガとして描き直し、閉館した後も物語として継承する。
2つ目は時代。昭和・平成・令和。3つの時代の記憶が一枚の壁に重なり、かつてのアナログ文化が、現在の目線で描き直される。
3つ目は世代。壁に描かれた同じ作品が、40〜50代には「あの頃」の風景に、若い世代には新鮮なレトロカルチャーに映る。世代ごとに違う表情を見せる。

4つ目は表現ジャンル。閉幕までに数々のワークショップやイベントを開催する。映画、マンガ、音楽、ファッション、ZINE、アート、アナログゲームなど、普段は別々のジャンルが「物語」を共通言語に交わる。
そして5つ目が観客と作り手。来場者は毎週の壁面の変化を見届け、その一場面に入り込むように写真を撮ることができる。これらの交差は、フィナーレのアートフェス「Story Crossing Art Fes」へと合流していく。
相鉄ムービルの物語を描く壁画「週刊ムービル ~ムビィの大活劇」を追いかけよう。
■壁面マンガ連載『週刊ムービル ~ムビィの大活劇』
会場:相鉄ムービル
住所:神奈川県横浜市西区南幸2-1-22 鉄南幸第2ビル
相鉄ムービル公式サイト:https://www.sotetsu-movil.com
壁面マンガ特設ページ :https://artfes.tsukuriba-edit.com/manga.html
Story Crossing Art Fes公式サイト:https://artfes.tsukuriba-edit.com
(佐藤 ひより)