気候変動により深刻化する中央アジアの水課題に対し、現地大学との連携で洪水・水資源予測の高度化と社会実装を目指す
グローバルに洪水予測・水資源/気候リスク評価サービスを展開する株式会社Aqunia(本社:東京都中央区、代表取締役:出本 哲、以下「Aqunia」)は、2026年5月、キルギス共和国のキルギス国立農業大学(Kyrgyz National Agrarian University、以下「KNAU」)との間で、水資源管理、洪水リスク軽減、および気候リスク評価の共同研究を促進するための協力枠組みに関する覚書(MoU)を締結しましたので、お知らせします。

1933年に設立されたKNAUは、農業分野を専門とするキルギス共和国有数の国立大学の一つです。K.I.スクリャービン記念キルギス国立農業大学(KNAU)は、農工業複合体、持続可能な土地・水資源管理、環境安全の分野におけるキルギスの中核的な学術・教育拠点となっています。同大学は「特別な地位(Special Status)」を有しており、国家の食料安全保障、合理的な環境管理、そして技術的近代化における戦略的役割を担っています。学術的伝統と先進的なデジタル技術を融合した有数の総合大学であり、その教育課程は5年間の国際認証を取得しており、世界水準の専門人材の育成を行っています。
※公式ウェブサイト: https://knau.kg/

MoU調印に際して行われた両者の会合の様子(キルギス・ビシュケク)。KNAU、Aqunia双方の関係者が出席
■ 背景:気候変動下での水害の増加と、水資源管理・防災基盤の高度化の必要性
キルギスでは、気候変動の影響により洪水や土砂崩れなどの水害が増加しており、従来は被害想定されていなかった地域においても災害が発生するようになっています。同国は中央アジアの水源地に位置し、氷河や積雪の融解が下流域を含む広域の水資源を支えていますが、近年の気温上昇によりその不確実性が高まっており、洪水リスクと水資源の安定確保の双方において対応が急務となっています。一方で、現地の水文・気象観測データは必ずしも十分に整備されておらず、継続的なモニタリングデータの蓄積や、それを活用した将来予測の体制構築が課題となっています。こうした状況を踏まえ、現地が持つ水文データと、衛星データ・AI・シミュレーション技術を組み合わせることで、将来の気候変動を考慮した降雨・洪水リスクの評価や水資源管理の高度化を進めることが求められています。
■ 本MoUについて
Aquniaはキルギス共和国において、これまでも政府機関との覚書締結をはじめとする現地連携を進めてきました。今回、水資源管理・農業分野の知見を持つKNAUとの間で、水資源管理の高度化や洪水リスク軽減に向けた共同研究を推進する協力枠組みを構築するため、本MoUを締結しました。
本MoUにおいて両者は、現地の水文データおよび衛星データの活用、洪水・水資源予測シミュレーションに関する技術検証、関係政府機関との連携などに取り組みます。KNAUが有する現地の水文知見・データおよび政府機関とのネットワークと、Aquniaの衛星データ解析・AI/水文モデリング技術を組み合わせることで、キルギスにおける洪水・水資源予測の高度化と社会実装を目指します。今後、国際資金への共同応募等を通じて、共同研究の具体化を図ってまいります。
■ コメント
キルギス国立農業大学(KNAU)土地・水管理学科長 Ainura Batykova 教授
「本MoUの締結を歓迎いたします。日本企業であるAquniaとの覚書締結は、私たちの土地・水管理学科、ひいては学部全体にとって重要な節目となるものです。中央アジアでは気候変動、氷河融解、洪水リスクの増大が進むなかで、持続可能な水資源管理は当地域にとって喫緊の優先課題となっています。Aquniaとの連携は、私たちの学部の教員、研究者、学生に対し、衛星データ解析、AI活用アプリケーション、先進的な水文予測モデルをはじめとする日本の最先端技術への類のないアクセスをもたらします。当学科が培ってきた深い学術的知見と現地の水文データを、Aquniaの革新的なツールと組み合わせることで、洪水リスク評価と水管理ソリューションを大きく前進させることを目指します。この協働は、当大学の国際的な研究水準を高めるのみならず、キルギスの政策立案者および農業セクターに対し、実務的かつデータに基づく知見を提供するための確固たる基盤を築くものです。私たちの共同研究が、政策と現場の双方で実践される成果につながるよう、共に取り組んでいくことを楽しみにしています。この連携を心より歓迎するとともに、科学と社会の双方に資する、インパクトのある研究成果を期待しています。」
株式会社Aqunia 代表取締役 出本 哲
「このたびKNAUとMoUを締結できたことを、大変光栄に思います。キルギスをはじめ中央アジアは、氷河や積雪の融解に水資源を大きく依存する一方で、気候変動により洪水リスクが高まっている地域です。KNAUがこれまで培ってこられた水資源管理・農業水利分野の知見と現地ネットワークに、Aquniaの衛星データ解析およびAI/水文モデリング技術を組み合わせることで、洪水・水資源予測の高度化と社会実装を進め、キルギス、さらには中央アジア全域が直面する水の課題の解決に貢献できるよう尽力してまいります。本連携が、現地の政策や現場で実際に活かされる成果につながることを目指します。」
■ 謝辞
この場をお借りして、キルギス共和国における活動に対し日頃よりご支援をいただいている、キルギス日本人材開発センター(KRJC)の皆様に深く御礼申し上げます。
■ 株式会社Aquniaについて
株式会社Aquniaは、JAXAおよび東京大学の研究成果を予測システムの中核基盤として活用し、独自のローカライズ技術とあわせて、各国・各地域の特性に応じた予測を実現する気候テック(Climate Tech)スタートアップです。
地上観測網が十分に整備されていないグローバルサウス等の政府・行政機関に対して、大雨・洪水予測、水資源予測、中長期的な気候変動リスク評価を提供し、水害被害の軽減、水不足への対応、気候変動適応に関する意思決定を支援しています。世界各国での早期警戒システム(EWS)・予測技術の社会実装と、日本の防災技術の国際展開を目指しています。特に、中央アジア地域は重点対象地域の一つと位置づけています。
<会社概要>
会社名 : 株式会社Aqunia
代表者 : 代表取締役 出本 哲
設立 : 2025年8月
所在地 : 東京都中央区日本橋
事業内容 : 洪水・水資源・気候変動リスクの予測システム開発および関連コンサルティング
公式サイト: https://aqunia.com
【問合せフォーム】
https://aqunia.com/contact/