~ 心臓リハビリテーションをより簡便に、より科学的に ~
このたび株式会社グレースイメージング(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中島 大輔)は、汗中の乳酸をモニタリングすることで運動耐容能を評価する「SweatWatch(R)」の製造販売承認(薬事承認)を取得しましたので、お知らせいたします。
なお、分類を受けた一般的名称「汗乳酸モニタリングシステム」は、本品が国内初※となります。今後は保険適用と上市を目指し、準備を進めてまいります。
※自社調べ 調査年月:2025年11月
本邦では技術進歩により脳梗塞 / 心筋梗塞での死亡者数が減少傾向である一方、これら疾病の救命 / 生存する結果心不全が急増し、死亡者数は20年で倍以上に増加しています。特に医療技術の発展に伴い脳梗塞/心筋梗塞は救命可能となった一方で、あらゆる循環器疾病の終末像である心不全患者数は、2005年時点の約100万人から、2030年時点で約130万人にまで達すると推計されています(注1)。
このように心不全患者が急激に増大する本邦において、心疾患再発防止効果が証明されている心臓リハビリテ―ションは、2013年の診療報酬改定以降、その患者数 / 実施件数ともに2倍以上に拡大し、2023年の心臓リハビリテ―ション実施件数は約530万件、医療費約550億円が投入されています。今後も、心不全患者の増大を抑制すべく実施拡大が望まれています(注2,3)。
心臓リハビリテ―ション実施に必要な心肺運動負荷試験(以下「CPX検査」)は患者毎に適切な運動負荷量を設定する重要な検査ですが、2011年の報告では循環器専門医研究施設のうち呼気ガス分析併用CPX検査の実施施設は14%と報告されています(注4)。その結果から、運動負荷を適正に判断出来ず過負荷リスクの回避のため低負荷での運動療法が処方され、質の高い運動療法が行なわれていない可能性が想定されます。これは、CPX検査で運動負荷指標とする呼気ガス中二酸化炭素量を計測する手法(以下「呼気ガス分析」)用の装置が高額で煩雑な操作を要することが要因の一つと考えられ、安価で簡便なCPX検査用測定機器の実現が心臓リハビリテ―ションの品質向上、普及を加速させるものとして期待されています。
SweatWatch(R)は、心臓リハビリテーションにおいて、大きなスペースを要すること無く、患者への負担を減らしつつ、安価かつ簡便に、患者一人一人に合った適切な運動負荷を決定できるようになる臨床的意義をもつことが期待されています。
1.「SweatWatch(R)」について
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/54709/table/13_1_6a733f82c5b1426c1daf917ab3ccc593.jpg?v=202512100747 ]
(6) 製品画像:

2. 臨床成績について ~ LacS-001治験より ~
本製品の治験概要については、以下の情報をご覧ください。
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/54709/table/13_2_58412d212ad0ec7dc7571c7685397501.jpg?v=202512100747 ]
(参考)
2022年5月20日付:心不全患者を対象とした医師主導治験に汗乳酸センサを提供 (Link)
2023年2月24日付:慶應義塾大学医学部との共同研究グループにて「心血管疾患患者への汗乳酸センサを用いた新しい運動評価法の開発」を目的とした医師主導治験を実施、主要評価項目を達成 (Link)
以上
(注1) Yuji Okura, Mahmoud M Ramadan, Yukiko Ohno, Wataru Mitsuma, Komei Tanaka, Masahiro Ito, et al. Impending epidemic: future projection of heart failure in Japan to the year 2055 Circ J. 2008;72(3):489-91.
(注2) 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン (2012年改訂版)
(注3) 2021 年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン
(注4) 循環器専門施設における急性心筋梗塞診療に関する全国調査:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告) (P42 図7)
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