「みなかみ・つながる関係人口モデル」の構築・運用開始へ。

群馬県みなかみ町(町長:阿部 賢一)、DMOである一般社団法人みなかみ町観光協会(代表理事:岡村 建)、移住支援業務をみなかみ町から受託する一般社団法人FLAP(代表理事:鈴木 雄一)は、株式会社リプロネクスト(代表取締役:藤田 献児)と連携し、観光プラン検討から関係人口の創出、移住検討までを一体的に支援する「みなかみ・つながる関係人口モデル」の導入を開始します。町の観光・移住関連サイトに対話型AIコンシェルジュ「NOIM(ノイム)」を導入し、旅の計画時や移住検討時の迷いや不安を整理しながら、来訪・相談・継続的な関わりへと判断を前に進めることを目指します。
背景・課題
みなかみ町は、温泉、アウトドア、スキー・スノーボード、四季折々の景観など、首都圏から約2時間でアクセス可能な豊富な観光資源を持つ広域観光エリアです。一方で、複数のエリアにわたる広さや公共交通・季節条件への不安から、「情報はあるのに自分に合うプランを組み立てられない」ことで来訪が見送られてしまうケースが少なくありませんでした。紅葉の見頃や積雪状況、アクセス方法といった問い合わせが観光協会に集中しているのも、この構造を示しています。
移住支援分野でも同様の構造があります。「自然の中で暮らしたい」という憧れはあるものの、仕事・収入・住まい・雪・医療・家族の合意といった複数の不安が整理できず、オンライン移住相談に踏み出せないライト層が多い状況です。みなかみ町は、自然の魅力だけでなく雪かきや交通利便性といった現実も同じ比重で伝えるスタンスを大切にしていますが、「いつか移住したい」という段階で検討が止まり、行動に結びつかない構造が見えてきました。
実施内容
本取り組みでは、観光と移住それぞれの窓口にNOIMを導入し、「観光での出会い」から「ファンとしての関わり」「移住検討」までを一連の流れとして支えることを目指します。
観光NOIM(みなかみ町観光協会公式サイト)
https://www.enjoy-minakami.jp/
観光NOIMは、2026年4月にリニューアルしたみなかみ町観光協会公式サイトに設置されます。来訪時期・同行者・交通手段・やりたいことといった条件を対話で把握し、月夜野・水上・新治などのエリア特性を踏まえたモデルコースや食・温泉・宿泊先を組み合わせた回遊プランを提示します。
紅葉の見頃や積雪・スタッドレスタイヤの要否といった季節情報は、ライブカメラや公式SNSへのリンクを添えて案内し、NOIMが断定せず利用者が最新情報を確認できるよう設計します。最終的には、地域OTA「みなかみBooking」や公式LINE「みなかみがすき」への接続を目指します。
移住NOIM(みなかみ町公式移住支援サイト)
https://www.town.minakami.gunma.jp/emigration/
移住NOIMは、みなかみ町公式移住支援サイトに設置されます。「今どこで迷っているか」「何が一番不安か」を短い対話で明らかにし、仕事・住まい・交通・雪・家族の合意形成といった論点を言語化します。一般社団法人FLAPの相談現場が大切にする「現実をフラットに伝える」「移住はゴールではなくスタート」「結論を押し付けない」の三原則を対話構造に反映しています。
クマの出没や雪かきの大変さ、車が必要なエリアの現実も同じ比重で伝え、場合によっては他地域を勧める選択肢も提示します。最後はオンライン移住相談の予約や現地訪問など、次の一歩となる行動候補を提示します。
みなかみモデルの特徴と実施体制
観光と移住を別々のプロジェクトではなく、「一人の人の長い時間軸での関わり方」として設計している点が、本取り組みの最大の特徴です。観光NOIMの出口を公式LINEやSNSフォローと連携させ関係人口層を育てる一方、移住NOIMでは観光・関係人口の接点を移住検討の入り口として扱う会話設計としています。
NOIMの会話ログとGA4を組み合わせ、どの情報が来訪・移住相談の後押しをしたかを可視化し、施策改善に活かします。みなかみ町が主体を担い、観光分野を観光協会、移住支援分野をFLAP、技術支援を株式会社リプロネクストが担当します。
・株式会社リプロネクストの公式サイト
https://lipronext.com/
・対話型AIコンシェルジュ「NOIM」のサービスページ
https://lipronext.com/services/noim/
みなかみ町長 阿部 賢一 コメント
「今回の取り組みを通じて、みなかみ町に興味をお持ちいただいた方々が、観光や関係人口、移住といった個別の枠組みではなく、一人ひとりの人生の場面に応じ、AIコンシェルジュによる対話を通してそれぞれのニーズや状況に合わせた情報提供やご提案を受けられることで、よりきめ細やかな形でみなかみ町との関わりを深めていただける仕組みが実現すると期待しております。」
一般社団法人みなかみ町観光協会 代表理事 岡村 建 コメント
「みなかみ町は、初めての方には「どこを拠点に、どう回ればよいのか」が分かりにくいという声もいただいてきました。今回のNOIM導入は、旅を計画している方が自分たちのペースで条件や不安を整理し、このルートなら行けそうだと思えるよう背中を押すための新しい手段です。ライブカメラや公式情報へのリンクも組み合わせながら、安全面も含めて納得してプランを組んでいただき、何度も通っていただける関係になっていくことを期待しています。」
一般社団法人FLAP 代表理事 鈴木 雄一 コメント
「移住相談の現場では、自然の中で暮らしたいという憧れと、仕事や冬の生活への現実的な不安が、いつもセットで存在します。私たちが大事にしているのは、その両方をフラットにお伝えしたうえで、本当にここで暮らしたいかを一緒に考えることです。NOIMには、そのスタンスをそのまま引き継ぎ、相談に踏み切れないライト層の方の迷いを整理し、オンライン相談や現地訪問につなぐ入り口の役割を期待しています。」
株式会社リプロネクスト 代表取締役 藤田 献児 コメント
「観光や移住の検討は、情報が多いほど楽になるわけではなく、自分にとって何が大事か・どこに不安があるかを言葉にできるかどうかで、納得感が大きく変わります。みなかみ町との取り組みでは、観光と移住を別々のテーマとして扱うのではなく、一人の人が時間をかけて町と関わっていくプロセス全体をデザインすることに大きな意義を感じています。会話ログと行動データから見えてくるつまずきやすいポイントを行政や地域の皆さんと共有しながら、みなかみ町に興味のある人が、無理なく地域と関わっていく最初の入り口を、そしてその先に観光から関係人口、移住までを繋いでいく方法を一緒につくっていきたいと思います。」
株式会社リプロネクスト 事業開発部 河合祥希
「私は旧新治村で生まれ育ち、旧水上町に暮らす祖父母のもとへよく遊びに行き、旧月夜野町には部活で切磋琢磨した仲間や高校へ通った駅があります。みなかみ町は私にとって、子どもの頃から複数のエリアをまたいで人生の大切な時期を積み重ねてきた場所です。通っていた学校は統廃合で形を変え、新治村もみなかみ町への合併を経て名前が変わりましたが、雄大な自然や温泉、あたたかい人々への思い入れ・ふるさとへの誇りは今も変わりません。
NOIMを通じて、観光や関係人口・移住という形でみなかみ町に関心を持つ方一人ひとりの迷いを丁寧に拾い上げ、その人に合った関わり方を提案できることに大きな意義を感じています。まちの魅力を発信するだけでなく、『自分にとってのみなかみ町との関わり方』を見つけていただける入り口を、地域の皆さんと一緒につくっていきたいと思います。」