~直接適用の対象外でも求められる「コンプライアンスの連鎖」に対応、GDPR策定に関与した欧州現地の権威「GP Partners」との提携で実務をバックアップ~
IT・インターネット法務に強みを持つ弁護士法人モノリス法律事務所(東京都千代田区、代表弁護士:河瀬季)は、グローバル展開を行う大企業や官公庁等(以下「エンタープライズ」)を顧客に持つ、またはその獲得を目指す日本のBtoB SaaS企業に特化した、EU一般データ保護規則(GDPR)のデータ処理契約(DPA)対応支援サービスの提供を新たに開始いたしました。

弁護士法人モノリス法律事務所 クロスボーダー法務チーム一部
本サービスは、自社としてはGDPRの直接的な適用対象とならないSaaS事業者であっても、顧客企業との契約を通じて実質的なコンプライアンスを要求される「間接適用」のメカニズムというビジネス上の死角を解消し、エンタープライズ市場における取引機会の損失を防ぐための実践的な法的・技術的ソリューションです。
BtoB SaaS事業者が直面する「直接適用外=対応不要」の罠
日本のBtoB SaaS事業者の多くは、EU域内に拠点を持たず、EU圏内の個人を意図的にターゲットとしていないため、原則としてGDPRの域外適用を直接受けることはありません。そのため、「自社は直接適用を受けないからGDPR対応は一切不要である」という認識が広がっています。しかし、この認識はエンタープライズビジネスにおいて致命的な誤りとなります。
SaaSを導入する「顧客企業」が日本に本社を置くグローバル企業であり、EU圏内の子会社で雇用する従業員データをSaaS上に登録するような場合、その顧客企業グループ(データ管理者)はGDPRに基づく厳格なデータ保護義務を負います。GDPR第28条により、顧客企業グループはGDPRの要件を満たす十分な保証を提供するベンダー(処理者)しか利用することができず、SaaS事業者に対して「データ処理契約(DPA:Data Processing Agreement)」の締結を必須条件として提示します。
SaaS事業者がこのDPAの要求水準(顧客の指示遵守、高度なセキュリティ、サブプロセッサー管理、監査の受け入れ等)を満たせない、あるいは締結を拒否した場合、顧客企業グループは巨額の制裁金リスクを避けるため、当該SaaSの利用を断念せざるを得ません。結果として、DPAへの未対応は、大企業からの「サービス導入を見送られる決定的な要因」となる深刻な課題をもたらしています。
本サービスの概要と特長:ITと法律の高度な融合
当事務所は、元ITエンジニアの代表弁護士による深い技術的知見を活かし、法的要件を単なる条文解釈にとどめず、ビジネスおよびシステム(開発・運用)の文脈で正確に捉えた実践的なサポートを提供します。
DPA・SCCの精査・交渉と契約実務サポート
顧客企業から提示されるDPAのドラフトに対し、自社のシステム構成や事業モデルに照らして実現可能な範囲での修正提案や交渉を代理します。また、日本はEUから十分性認定を受けているものの、十分性認定の枠外のサブプロセッサーの利用などで必要となる標準契約条項(SCC:Standard Contractual Clauses)のモジュール選択や、移転影響評価(TIA:Transfer Impact Assessment)の実施支援も行います。
ITエンジニアリング視点に基づく処理活動記録(RoPA)の整備
システム仕様やデータベース構造から個人データの流れを正確に追跡(データマッピング)し、GDPR第30条に基づく処理活動記録(RoPA:Record of Processing Activities) の作成や、データの暗号化・アクセス制御などの技術的・組織的措置の法的な評価を支援します。
データ主体の権利行使(DSR)対応フローの構築
GDPR第12条などにおいては、データ主体から開示、修正、消去などの権利行使(DSR:Data Subject Request)を受けた場合、管理者である顧客企業は原則1ヶ月以内に対応することが義務付けられています。処理者であるSaaS事業者には、DPAに基づき協力する義務が課されます。当事務所は、顧客企業からの要請を受けてシステムから対象データを迅速に抽出・提供できるようにするための、社内業務フローや対応手順書の整備を支援します。
欧州専門家との強固な提携体制:ポーランド法律事務所「GP Partners」

DPA(データ処理契約)の交渉や締結は、日本国内の法解釈だけでは対応が困難です。欧州の顧客企業から提示される厳格な要件に対し、実務的に妥当な落とし所を見つけるためには、欧州現地の最新の実務動向を踏まえた知見が不可欠となります。当事務所は、ポーランドを拠点に欧州全域でリーガルサービスを提供する「GP Partners」と強力な業務提携を行っています。
同事務所の創設パートナーであるMaciej Gawroński氏は、欧州におけるデータ保護法およびIT法のトップランナーです。特に注目すべきは、同氏が欧州委員会の「クラウドコンピューティング契約専門家」を務め、GDPR策定においてDPAの根拠となる「第28条(処理者および復処理者の義務)」などの起草・策定プロセスに直接関与した実績を持つ点です。また、同氏の著書『Guide to the GDPR』は欧州の実務家向け書籍として広く支持されています。
この提携により、当事務所は「GDPRの条文を作ったレベルの専門家」の知見をバックグラウンドに持ち、顧客企業からの要求を適切に整理し、BtoB SaaS企業にとって実現可能かつ欧州基準を満たすDPAの締結交渉を強力に支援します。GP Partnersとの連携は、単なる現地の窓口ではなく、グローバル企業から選ばれるトップクラスの専門性と実績を持つチームと共同で、SaaS企業のビジネスを守りながらエンタープライズ顧客に「十分な保証」を提示するための最大の武器となります。
モノリス法律事務所の今後の展望
「DPAへの対応力」は、今やBtoB SaaSがエンタープライズ市場を勝ち抜くための最大のプロダクト要件の一つです。当事務所は、日本の優れたSaaS企業がコンプライアンスの壁に阻まれることなくグローバル大企業との取引を拡大できるよう、法務とITの両面から強力にバックアップしてまいります。
【関連リンク】
・GDPR対応支援サービスに関する総合案内ページ:
https://monolith.law/gdprcompliance
・BtoB SaaS向けDPA対応の法的構造と課題に関する詳細な解説記事:
https://monolith.law/corporate/dpas-b2b-saas-companies-gdpr-should-know
[表: https://prtimes.jp/data/corp/53149/table/38_1_f8f8a82c6fb46d005dc45848285abf36.jpg?v=202607090845 ]
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