「日本語文書読解・構造化出力精度」の双方を向上させオープンソースで無償公開
国産生成AI基盤の独自開発およびビジネス向け生成AIサービスを提供するストックマーク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:林 達、以下:ストックマーク) は、NVIDIAと連携し、同社の最先端オープンソースAIモデル「Nemotron-3-Nano-Omni」をベースモデルに、当社独自の強化学習を施すことで、日本語の複雑なビジネス文書を正確に読解・構造化出力可能にしたVLMモデル「Stockmark-Nemotron-3-Nano-Omni-JapanDocReader」を開発しました。
また、当モデルは本日より商用利用可能なオープンソースモデルとして、一般公開することで生成AIコミュニティおよび国内企業データAI-Ready化への貢献を進めてまいります。
▼モデル公開先URL
https://huggingface.co/stockmark/Stockmark-Nemotron-3-Nano-Omni-JapanDocReader

連携・取組みの背景
PDFや社内資料、決算書、技術論文といった「図表や複雑なレイアウトを含むビジネス文書」を生成AIで自動処理することは、企業のAI-Ready化において極めて重要な要素である一方、LLMを始めとした従来のテキスト中心の生成AIでは対応が難しい領域でした。
当社はこれまで、複雑なビジネス文書を生成AIで利活用するための様々な取り組みを推進してきました。直近でも、高度な知識とドキュメント読解を組み合わせ、複雑な図面や数式、化学構造式をも正確に読解可能な独自VLMを開発・公開するなど、生成AIを活用したドキュメント読解の研究開発において多くの実績を積み重ねています。
今回のNVIDIAとの連携は、当社がこれまで培ってきた「日本語ビジネス文書の解析技術」および「独自VLM開発の学習ノウハウ」と、NVIDIAが持つ世界最先端のAIアーキテクチャとオープンモデルを掛け合わせることで、生成AI時代におけるビジネスドキュメントの利活用を一歩先へと進めるために開始いたしました。
本連携における具体的な取組み
本プロジェクトにおいて、当社とNVIDIAは、両社が持つ最先端のAI資産と技術ノウハウを融合させ、以下の取り組みを具体的に実施いたしました。
■ NVIDIAの最先端推論モデルに対する独自の追加学習
NVIDIAが開発した、高い推論能力を持つ最新のオープンソースマルチモーダルモデル「Nemotron-3-Nano-Omni-30B-A3B-Reasoning」に対し、当社が保有する日本語のビジネス文書データと、これまでのVLM開発で培った学習ノウハウ(mix-SFTや強化学習など)を駆使し、複雑な日本語文書読解とデータ構造化に特化させるための追加学習を共同の枠組みとして実施しました。
■ 両社のアセットを掛け合わせた「高品質な学習データ」の生成・活用
「NVIDIA Nemotron-Personas-Japan」データセットと、ストックマークが開発した「日本語文書データの自動合成パイプライン」をシームレスに連携。これにより、手作業では構築が困難な「多段階の推論を必要とする読解データ」および「複雑なレイアウトを解析するためのデータ」の合計約12万件におよぶ多様で高品質な合成データを生成し、学習に活用しました。
■ 成果モデルのオープンソース公開、および双方による成果発表
今回の連携によって「読解力」と「構造化力」を高い次元で両立させた追加学習モデルを、オープンソースとして一般公開します。これにより、より多くの方が利用しやすくなるとともに、オープンな開発の基盤を提供します。
また、本取り組みの成果と技術的知見を広く社会へ共有するため、NVIDIAと当社の双方が、国内外のAIコミュニティおよび産業界への発信を行います。
本プロジェクトの特徴
生成AIが実務で文書を正しく扱うには「書かれている内容を正しく理解して質問に答える能力(読解力)」と、「表や数式、レイアウトをAIが処理しやすい綺麗なデータ形式に変換する能力(構造化力)」の両方が不可欠です。
本連携では、NVIDIAの最先端モデルに当社独自の追加学習手法を組み合わせることで、この2つの能力を高い次元で両立させることを実現しました。
本モデルの3つの特徴と技術的特徴
本モデルは、NVIDIAの最先端アーキテクチャとストックマーク独自の高度な学習ノウハウを結集し、日本語ビジネス文書の処理において以下の3つの進化を実現しています。
1. NVIDIAの最先端モデルをベースに、日本語の「思考プロセス」を最適化
ベースとしたNVIDIAの最先端モデル「Nemotron-3-Nano-Omni-30B-A3B-Reasoning」は、回答を出力する前にAI自身が「思考プロセス」を組み立てる特徴を持っています。
当社は、このモデル本来の強みを日本のビジネスシーンで最大限に引き出すため、独自の日本語ビジネス文書データとNemotron-Personas-Japanを用いて生成した合成データを用いてファインチューニングを実施しました。このアプローチにより、日本の実務資料に特有の「複雑な図表と本文を横断して情報を比較する」「条件を判断して計算する」といった、高度な日本語文書の読解能力をモデルに定着させることに成功しました。
2. 独自の「データ自動合成パイプライン」による、高品質な学習データの生成・活用
今回の学習には、当社が開発した「データ自動合成パイプライン」と、Nemotron-Personas-Japanで生成した合成データを活用し、多段階の推論を必要とする読解データおよび、複雑なレイアウト解析を必要とするデータを独自生成。これにより、人による手作業では膨大な工数を要する、高品質かつ大量の学習データ生成を可能にし、日本語ビジネス文書の学習を実現しました。
3. 独自の追加学習により「読解力」と「構造化力」を両立・大幅向上
読解と構造化出力の学習データを絶妙なバランスで混ぜ合わせる学習ノウハウ(mix-SFT)に加え、最先端の強化学習手法を実施。これにより、高い読解力を維持したまま、複雑なレイアウトや表、数式などを構造化し出力する能力を大幅に引き上げることに成功しました。
なお、本モデルの学習手法や実験結果に関する技術的な詳細、およびデータ合成パイプラインの仕組みについては、当社テックブログにて詳しく解説しています。
・テックブログ:https://stockmark-tech.hatenablog.com/entry/2026/07/16/000000
今後の展望
当社は、今回開発した追加学習モデルをオープンソースとして公開することで、引き続き国内の生成AI研究の発展と、企業データのAI-Ready化加速に貢献してまいります。
また、当社が提供する生成AIプロダクトにも実装することで、最先端のAI技術を誰もがビジネスで活用できる環境づくりを目指し、研究開発およびサービス展開を推進してまいります。
ストックマークのソリューションについて
AI活用は競争力維持のために不可欠な要素となっています。しかし、多くの企業が「データが整備されていない」「現場への定着が進まない」「具体的な成果に繋がらない」といった課題に直面しています。
当社は、独自の自然言語処理技術などを用いて、テキストだけでなく図面や仕様書、過去の判断ロジックといった複雑な知恵をAIが活用できる形へと構造化します。これにより、単なる効率化の枠を超え、人が本来注力すべき「価値創造」や「専門性の研磨」に没頭できるよう、業務プロセスそのものを再設計する「AI BPR(Business Process Re-engineering)」を推進します。
AIが「停滞感を生む単純作業」を自律的に担い、人は「高付加価値業務」へとシフトし、「シゴトを心から楽しめる」状態を創り出すことで、日本企業の競争力を底上げしてまいります。
・ストックマークソリューション:https://stockmark.co.jp/solution/

ストックマーク株式会社について
ストックマーク株式会社は「価値創造の仕組みを再発明する」をミッションに掲げ、最先端の生成AI技術を活用し、多くの企業の企業変革を支援しています。
製造業向けAIエージェント「Aconnect」及び、あらゆるデータを構造化し企業の資産に変える「SAT」を運営しています。さらに、企業特化生成AIの開発や、独自システムの構築も支援しています。
会社名 :ストックマーク株式会社
所在地 :東京都港区南青山一丁目12番3号 LIFORK MINAMI AOYAMA S209
設立 :2016年11月15日
代表者 :代表取締役CEO 林 達
事業内容:最先端の生成AI技術を活用した、
企業のナレッジマネジメント・生成AIの業務適用を支援するサービスの開発・運営
URL :https://stockmark.co.jp/