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パルシステム連合会

新横浜で「無料塾」「伴走支援」を実践報告 子どもの視点で学びに寄り添う〔神奈川〕

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誰もが安心できる「居場所」づくりを

生活協同組合パルシステム神奈川(本部:横浜市港北区新横浜、理事長:藤田順子)が設立した公益財団法人神奈川ゆめ社会福祉財団(本部:横浜市港北区新横浜、理事長:藤田順子)は6月13日(土)、スペース・オルタ(横浜市港北区新横浜)で講演会を開催しました。14年にわたり無料塾を運営する小宮位之(たかゆき)さんと、財団が支援する高等学校奨学生に寄り添うボランティアによる伴走型の学びへの実践とそれぞれの思いを伝えました。

同じスタートラインに立てない
小宮さんは2012年、さまざまな事情で学習環境の確保が難しい家庭の子どもを支援するため、ボランティアが講師を務める無料塾「八王子つばめ塾」を立ち上げました。進学を目指す生徒に無償で個別授業を提供し、食料支援や奨学金給付と併せて家庭を経済的に支援しています。

相対的貧困世帯の子どもが有償の学習塾に通うには、年収の1/4近くの金額が必要です。私立校では当然の手厚い学習指導が公立校にはなく、家庭の経済状況が学力の二極化を生み出している現状があります。中学校1年生で高校進学に意味があるのか問いかける子は、親や兄弟が高校を卒業しておらず、家庭で見る風景が子どもの選択肢を左右し、決して誰もが平等なスタートラインにはいないことを小宮さんは伝えます。

2024度の文系私立大学の平均学費は、1975年の18万円から4.8倍の86万円となりました。物価上昇率2倍と比較しても学費負担が暮らしを圧迫しています。つばめ塾に通う子どもは、母子家庭や親が非正規雇用の世帯が多く、兄弟が5~6人いることも珍しくありません。小宮さんは、本人の学習努力や家庭の自己責任だけで、平等に進学できない現実があることを説明します。

共に寄り添い教えるのは希望
つばめ塾は2012年、講師の小宮さんと中学生の生徒1人で任意団体として立ち上げました。2019年の認定NPO法人化を経て、現在は市内3カ所の教室に28人の生徒が通い、35人のボランティア講師が活動しています。350人以上の卒業生の中からも、これまで9人が講師を務めてきました。交通費も講師料も支払われないボランティアには、千葉県から2時間かけて通う人もおり、無償で場所を貸してくれる公民館や喫茶店などで無料塾が実現できています。

入塾の条件は、家庭の経済的困窮と有償の学習支援を受けていないこと、本人に勉強する気持ちがあることです。つばめ塾の財産であるボランティア講師の意欲を継続するためにも、学力レベルは問わないけれど生徒が学びに向き合えるよう、本人が1歩進めばその分一緒に伴走していく姿勢を伝えています。学力を引き上げる有償塾とは異なる視点で、共に寄り添い応援する無償塾の実践です。

講師には、言葉を待っている子どもの気持ちを良く観察し、将来の希望を伝えるため自身も前向きな姿勢で信頼関係を構築していく伴走の大切さを伝えています。生徒への交通費支給や奨学金制度、家庭への食料支援など全てのニーズを満たせなくとも、少しでも希望の足掛かりになればと小宮さんは話します。

小宮さんは、同じ年に始まった子ども食堂の数は現在全国1万2千カ所以上あるのに比べ、無料塾は300カ所に留まる現実も話します。全国の無料塾立ち上げを支援してきた小宮さんは、5人の高校生が立ち上げた団体などの事例を紹介し、認知の向上と支援の拡大を呼びかけました。

無料塾の生徒が学力を上げることで「自分さえ良ければ、お金があれば良い」ではなく、「自分もいつか人の役に立ちたい」と考えられる人材に育つことを小宮さんは願います。ツバメが巣を飛び立ちまた帰ってくるように、誰かのために行動する芽吹きのための地道な種まきの実践を報告しました。

▲3人の子育てとアルバイトをしながら団体を運営してきた小宮さん

高校生の将来に向け伴走する若者
クロストークに登壇したのは、神奈川ゆめ福祉財団のボランティア活動に参加する5人です。返済不要で給付する「神奈川ゆめ奨学金」の奨学生を対象に、隔月で開催する学習支援「まなびれっじ」で希望の科目を教える大学生ボランティアです。登壇者のうち2人は、自身もゆめ財団の奨学生として大学に進学しました。
5人はそれぞれ、ボランティアを始めたきっかけを話してくれました。奨学生だった学生は、公立高校では授業以外で勉強を教えてもらえず、暗記では対応できない数学を教わり助かった経験から、自分も人に教えたいと、参加するようになりました。


▲クロストークに登壇した大学生ボランティア

教えることが好きで塾講師アルバイトの経験がある学生は、役に立てればと参加しましたが、一方的に勉強を教える塾との違いに驚いたそうです。「5年間の経験を通じ、勉強を教えるだけではない居場所だと感じます」と話します。

「塾講師を務めていると学生である身分を隠しがちになる塾とは異なり、友達の横の関係や親・教師との縦の関係とも違う、対等な斜めの関係として、ありのままの自分で生徒と向き合えます」と「まなびれっじ」の温かなようすを紹介します。

昼食の時間には、交流しながら食事をとります。1対1の勉強の時間では話しにくい、他愛のない世間話や進路のこと、大学進学後の生活など、身近に大学生がいない奨学生にとっては、大切な情報共有の時間にもなります。多様な学部や学科の存在や授業のようす、指定校推薦に必要な対策などの情報も得られます。

「まなびれっじ」では、勉強の他にバーベキューやクリスマス会など世代を超えた交流の場も設けています。普段の生活では体験できないイベントに参加し、ボランティアや奨学生同士が顔の見える関係性を作ることで、勉強会に参加するきっかけにもなります。

イベントなどで交流が深まると、家庭環境の問題を話してくれる奨学生もいます。ボランティアでも一緒に答えを見つけてあげたいと頑張ろうとした学生は「話を聞いてあげることが心の助けになる。寄り添って丁寧に話を聞き、自分で対応出来なければ財団の人につなげればいい」とアドバイスを受けたことも話します。

大学生ボランティアはそれぞれの話を引き取り、一人ひとりが思いを語りました。

「どこまで踏み込んでいいのかも難しいです。情報提供になればと自分の話をしても、余計な自慢話に聞こえないかと判断できないこともあります。自分が奨学生だった時にも、相談をしても答えを出してくれるのかと迷ったこともあり、線引きが難しいと感じました」

「いろいろなタイプの子がいるので、何を求めているのかアンテナを張り、その子に合った寄り添い方を意識したいです。自分から向き合い話しかけていくことで、相手が話すきっかけになればと思います」

「対応の最適化はできないので、元気?と声をかけ続け、話し始めてくれたら全力で話を聞きます。至らない点もあるけれど、繰り返し対話し、学びながらみんなと情報共有しています」

「力になるのは、挑戦しようとした時の安全地帯だと思います。失敗しても、ここに戻ってきて相談すればいいと思える居場所を作りをこれから参加する仲間たちにも、大切につないでいきたいです」と話し、クロストークを締めくくりました。
学び見守る応援団の参加を呼びかけ
神奈川ゆめ社会福祉財団は2018年、主に高校生を対象とする奨学金制度の運用を開始しました。2025年度末までにのべ137人の学生に返済不要の奨学金を給付し、今年度は新たに20人を迎えています。毎月1万円の奨学金と入学や卒業時の準備金給付に加え、大学生ボランティアによる学習支援や文化的・社会的体験の場の提供、相談窓口設置による寄り添い型の支援をしています。

これらの活動資金を支えるのは、パルシステム神奈川の利用者による毎月1口100円からの募金で参加できる「神奈川ゆめ奨学生サポーター」4,049人です。財団を通じた「ゆめつなぐ応援団」による毎月1口500円から金額を選択できる募金もあります。支援者一人ひとりの善意と温かな助け合いの心で、財団創立以来の手厚い伴走支援が継続されています。

財団HPでも、随時募金への協力を呼びかけています。
https://kanagawa-s.or.jp/support-2/

パルシステム神奈川はこれからも、利用者と共に子どもたちの成長を見守るさまざまな団体と連携し、誰もが活躍できる社会づくりを目指します。
公益財団法人 神奈川ゆめ社会福祉財団
所在地:神奈川県横浜市港北区新横浜 3-18-16
理事長:藤田順子
HP:https://kanagawa-s.or.jp/service/

パルシステム生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿、理事長:渋澤温之
12会員・統一事業システム利用会員総事業高2,689.6億円/組合員総数177.0万人(2026年3月末現在)
会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、あいコープみやぎ
HP:https://www.pal-system.co.jp/

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