日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、埼玉県旧吹上町(現鴻巣市)を写真とともに紹介する。
Vol.22/埼玉県旧吹上町(現鴻巣市)
旧吹上町では、元荒川の桜並木が有名だ。“元荒川”は名前の通り、かつて荒川の本流だった。訪れたタイミングはすでに桜の季節ではなかったものの、雰囲気を感じたくて行ってみることに。また、白鳥がいるかもしれないという話を聞いていて、ほんとうだろうかと思っていたけれど、悠々と元荒川を泳ぐ一羽の白鳥に、実際に出会えたのであった。
荒川水管橋は、全長が約1101mある。浄水場が行田市にあり、そこで作られた水道水が荒川を越えて、県の西部に送られているのだ。鮮やかな赤色かつ巨大な橋なので、最初は車が通る橋だと錯覚したぐらいだった。荒川という存在の大きさも感じられる。
そして、ちょうど荒川の河川敷を散歩していた女性と会話をした。かつてここが吹上町だったことについて聞いてみると、すでに時間が経ち、鴻巣市としての馴染みが深そうであった。人によって土地の印象は徐々に変化していくものだろう。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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