日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、埼玉県旧岡部町(現深谷市)を写真とともに紹介する。
Vol.32/埼玉県旧岡部町(現深谷市)を
深谷市の西側に位置する旧岡部町。ひとつ前に訪れていた場所も同じく深谷市ではあったが、旧岡部町に来て畑の土質が変わった気がした。それに伴って白い不織布もずらりと張られていて、もう少し自分が農業に詳しければ、その違いをしっかり理解できるのにと。
そして、岡部総合支所は公民館、図書館の機能も兼ね備えた複合施設で、利便性の良さを感じられたのだった。
たとえば、総合支所の近くにあった埼玉工業大学に、別のまちから通う生徒は、旧岡部町をどのように感じるのだろう。会話中の賑やかしであれば、「何もないところですよ」みたいに言うこともあるかもしれない。ぼくも地方の大学出身で、周囲はおしなべてそのように言っていたから。
ただ、もちろん人によっては素直な気持ちとして、ここに流れている時間の良さを感じられるような気もした。
有名だというコスモスを、旧岡部町の落ち着いた時間の中で、じっくりと眺めてみたいなあと思う。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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