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株式会社ロースター

江戸から続く藍を、現代の暮らしへ。代々木上原の民藝店「IEGNIM」にて、黒羽藍染紺屋と「藍の涼品」を期間限定で開催

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220年の伝統技法で染め上げられた、うちわ、のれん、バッグなど、夏を彩る目にも涼しい手仕事が集結

■黒羽藍染紺屋の、「藍の涼品」を集めたPOP UPを開催
株式会社ロースター(本社:東京都新宿区、代表取締役:大崎安芸路)は、2026年7月11日~8月2日の間、栃木県大田原市で220年以上の歴史を誇る「黒羽藍染紺屋(くろばねあいぞめこんや)」8代目・小沼雄大氏が手がける品々をメインテーブルに並べる「藍の涼品」を、東京・渋谷区西原のフォーククラフトショップ『IEGNIM(イグニン)』にて開催します。

藍には神様が宿ると言われています。
栃木県大田原市の豊かな自然のなか、220年の歴史を受け継いだ八代目の手から生まれる、深い藍色。
今回は、夏の暮らしに心地よく寄り添う「うちわ」や「のれん」、お出かけにぴったりの「巾着」「バッグ」など、目にも涼しいアイテムを中心にラインナップ。また、伝統的な型染め技法を現代のキャンバス地に落とし込んだ、履き込むほどに味わいが育っていく「スニーカー」も展示販売いたします。

【会期】
2026年7月11日(土)~8月2日(日)
※金・土・日・祝日営業:最新の営業日時は、公式Instagramをご覧ください。
※作家在廊日:7月11日(土)、7月12日(日)は作家在廊予定予定

【営業時間】
12:30~18:00

【会場】
IEGNIM
東京都渋谷区西原3-11-5 1F
(代々木上原駅北口より徒歩1分)

黒羽藍染紺屋
栃木県大田原市で江戸時代から続く伝統技法。松の煤(松煙:しょうえん)や大豆汁で下染めした頑丈な木綿地を使い、深く濃い藍色と優れた強度が特徴。
https://www.instagram.com/kurobaneaizomekonya/

小沼雄大(おぬま ゆうた)
黒羽藍染紺屋の8代目。伝統技法を受け継ぐ一方、スニーカーや空間デザインなど新たな表現にも挑戦し、藍染の可能性を広げている。
https://www.instagram.com/aizome_konya/

※展示会開催前に混雑が予想される場合には、整理券を配布し人数を制限させていただくことがございます。

※商品のお会計はキャッシュレス決済のみとなります。
※500円(ワンコイン)で回せるお楽しみガチャガチャ企画もご用意しております!こちらは現金(500円玉)のみとなりますので、ぜひコインをご準備の上お越しください。

最新情報は公式Instagramへ

■黒羽藍染紺屋 8代目・小沼雄大インタビュー

山々に囲まれ、清らかな川が流れる栃木県大田原市、黒羽(くろばね)。かつて城下町として栄えたこの地に、創業220年あまりの歳月を重ねてきた藍染工房が佇んでいます。

江戸時代から地下で呼吸を続ける藍甕と、日々向き合う8代目――今回お話を伺ったのは、黒羽藍染紺屋の小沼雄大さんです。
伝統の重責を背負いながらも、スタンスはどこまでもフラット。自らの感性を藍に溶け込ませる職人の、静かなる情熱に迫ります。
小沼雄大(おぬまゆうた)さん プロフィール
黒羽藍染紺屋の8代目。伝統技法を受け継ぐ一方、スニーカーや空間デザインなど新たな表現にも挑戦し、藍染の可能性を広げている。

24歳、思いがけない人生の転機
「正直なところ、当時はかなり調子に乗っていたんです」

高校時代の話を聞くと、小沼さんは少しはにかみながら振り返ります。家業を継げば、好きな時に仕事をして、友人と遊びに行ける気楽な生活が送れる、当時はそんな甘い期待を抱いていたそう。

しかし、東京での修行を終えてこれからという24歳の時、先代であるお父様が急逝。

「親父がいれば仕事は安泰だ、という根拠のない安心感が一瞬で消え去りました。それまで父を信頼してくださっていた大口の仕事が、ほぼゼロになったんです。これからどう生きていけばいいのかと、どん底にいる気分でした」

突如として崩れた日常。残されたのは、歴史ある工房と自分一人だけ。この時に味わった深い絶望こそが、のちに彼の中に眠る独創性を呼び覚ます種火となっていくのです。


工房の床に染みついた、藍の色

静寂の1ヶ月、ヘラの音だけが響く修行時代
小沼さんの確かな技術は、東京・江戸川での厳格な修行時代に培われました。人間国宝の系譜を引く名門の門を叩いた彼を待っていたのは、厳しい職人の世界。

「まず、挨拶をしても返事をしてもらえないんです。まるで自分が透明人間になったかのような日々でした。糊(のり)を持っていく許可を求めても反応はなく、いざ持っていけば怒鳴られる。理不尽さに涙がこぼれそうになるのを、必死で堪えていました」

それでも踏みとどまれたのは、「自分で決めた道を投げ出すなら、家から出て行け」という、お父様の強い教えがあったから。修行の中で、彼が最も苦しかったと振り返るのが、糊置きの基礎訓練でした。

「何もない部屋で、板の上でヘラを返す動作を1ヶ月間、毎日ずっと繰り返しました。素振りのようなものです。静寂の中に、ヘラの音だけが一日中響いている。本当に、頭がおかしくなるのではないかという恐怖すら感じました」

真夏の室温が40度を超える環境で、ひたすら繰り返した基礎の反復。極限状態での修行が、現在の寸分の狂いもない手捌きへと繋がります。均一に糊を置けなければ、染め上がりにムラが生まれてしまう。妥協を許さない確かな技術こそが、黒羽藍染の伝統を繋いでいく土台になっているのです。

「藍には神様がいる」と言われている。毎年元旦に、工房の神棚にその年一番初めに染めた紙を祀る

黒羽藍染が誇る「松煙」と「一貫作業」の真髄
黒羽藍染が他の藍染と決定的に異なる点は、その「色」と「強度」を生み出す独自の工程です。一般的な藍染が糸を染めることから始まるのに対し、黒羽藍染では「呉入れ(ごいれ)」と「松煙染め(しょうえんぞめ)」という、全国的にも極めて珍しい技法が用いられます。

呉入れ(ごいれ)をすると、生地が強くなる

「大豆の汁に、松の根を燃やして生まれた煤(松煙)を混ぜ合わせ、生地に幾度も刷り込んでいきます。この工程を重ねることで、生地は驚くほど強くなります。もともと黒羽の藍染は、材木屋の職人たちが纏う印半纏(しるしばんてん)がルーツ。激しい作業に耐えうる、いわばデニムのような『用の美』の極致なんです」

さらに特筆すべきは、現代の工芸界では稀有な一貫作業。デザイン、型紙製作、染色はそれぞれ別の職人が担当する分業制が一般的なのですが、小沼さんはこれらすべてを一人でこなします。

「藍染めの業界は基本的に分業です。型紙屋さんがいて、染め屋がいる。でも、うちは自分たちで型紙を彫り、糊を作り、染める。この一連の工程を自分で行うからこそ、理想とする表現が追求できるんです。内心、黒羽藍染は他の藍染とは違うという自負があります」

複雑な松煙の処理までを自らの手で行う、その手間と時間こそが、黒羽藍染を唯一無二の存在へと高めているのです。

小沼さんが彫った型紙

伝統を解き放ち、感性を研ぎ澄ます
お父様が急逝し先行きが不透明だった時期、再び光を見出したきっかけは、「自分の好き」を貫く覚悟を決めたことでした。

「もし立ち行かなくなるのなら、自分の好きなことをやろう、そう思ったんです。売れるから作るのではなく、自分が心から愛せないものは、誰にも手渡したくない。それが、僕の信念です」

その決意から、もともと好きだった原宿のストリートカルチャーに着目してスニーカーを藍染めで染めたり、型紙を使わず糊を飛ばして模様を描く「フリ」という自由な技法を生み出したり、現在のスタイルへと繋がります。

「師匠や先代たちから、とにかく色んなものを見なさいと言われました。芸術、アート、日常の様々なもの…そのすべてが、表現の糧になるからと」

ある時、国内外で名を轟かせる徳島の藍染めチーム「BUAISOU」へ、アポなしで突撃したことが。

「突然訪れた僕を、彼らは『あの、スニーカーを染めている人ですよね!』と知ってくれていたんです。自分がやっていることは異端な部分もあるので、少なからず、批判もありました。でも、認めてくれる人に出会えたという喜びは、今も鮮明に覚えています。自分を信じていいんだ、と大きな自信になりました」

その後、星野リゾート「界 鬼怒川」の全客室の装飾を手がけるなど、小沼さんの仕事は瞬く間に世へと広がりました。
「黒羽藍染という名を耳にした時、『それは何?』と問い返されるのが悔しい。他の藍染とは違う、歴史と誇りをもっと広めたい」
そう語る小沼さんの言葉は静かに熱を帯びていました。200年の歴史と若き8代目の野心が交差する瞬間に生まれる、藍の色。
ぜひ、身近に置いてお楽しみください。

文:藤田華子 写真:藤井由依

インタビュー記事はこちら

IEGNIM(イグニン)について

代々木上原駅徒歩1分にある、民藝・工芸のセレクトショップです。
オンラインショップと東京に実店舗を構え、民藝を中心に広く手仕事のアイテムをそろえております。民藝好きの編集者が始めた店舗ですので、各地の窯元を訪問し、職人のみなさまから伺ったお話を記事にし、制作の背景や、物語と合わせて器を販売しています。
また、窯元とのコラボ商品の販売をするなどもしております。
サイト:https://iegnim.com/
Instagram:https://www.instagram.com/iegnim_/

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