AIをAIで審査する時代到来-しかし、その審査AIは信頼できるのか? サイカルトラストは特許第7477937号を分割出願、異主体AI多角検証で”ミュトス級AI”事前審査基盤を構築しオラクル問題を解決へ
サイカルトラスト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:須江剛、以下「サイカルトラスト」)は、中核技術である「鑑定証明システム(R)」を構成する既存特許について、「分割出願」を実施したことを発表します。本「分割出願」は、異なる主体が運営する複数のAI(「マルチAI」)によって、他のAIだけではなく、そのAIから出力されたあらゆる情報の真正性(トラスト)を多角的に検証する真正性(トラスト)基盤技術の権利範囲を、より広範に切り出すことを目的として実施いたしました。

第1章 AIが「ツール」から「社会基盤を左右する主体」へ
「米国」アンソロピック社が2026年4月に発表した「Claude Mythos Preview(クロード・ミュトス・プレビュー)」は、主要OS・主要Webブラウザを含む重要ソフトウェアから多数の「ゼロデイ脆弱性」を発見する能力を示しました。同社は悪用リスクを踏まえ、同モデルの一般公開を見送り、招待制の研究プレビューとして防御目的のサイバーセキュリティ用途に限って提供しています。
この事実が示すのは、AIが業務効率化の「ツール」にとどまらず、半導体、金融、重要インフラ、防衛、医療、その他ソフトウェアサプライチェーンといった「社会基盤」そのものに直接影響を及ぼす段階に入ったということです。アンソロピック社自身も、同モデルの攻撃・防御能力について米国政府関係者と継続的に協議していることを公表しています。
今後、各国政府は、先述の半導体、金融、重要インフラ、防衛、医療領域などで利活用されるAIについては、その前段で能力評価、用途審査、その他出力検証という「事前審査」的な枠組みが、各国で強化されていくことが見込まれます。
【専門用語の意味】
・「ゼロデイ脆弱性」:ソフトウェアに存在することがまだ公表されておらず、修正パッチ(修正プログラム)も提供されていない欠陥のこと。攻撃者に先に発見されると無防備のまま攻撃を受けてしまいます。
・「事前審査」:AIの出力を業務や政策判断に採用する前に、そのAIの能力・用途・出力が信頼に値するか、真正性(トラスト)が担保されているかを独立した手続きで検証することをいいます。

第2章 核心課題 = AI時代の「オラクル問題」
ブロックチェーンは、いったん記録された情報の改ざんに対して極めて強い耐性を持ちます。しかし、ブロックチェーンに記録される前の情報そのものが正しいか、誰が何を根拠に検証したか、例えばAIエージェント(エージェントAI)が生成した情報を業務システムがそのまま採用して良いか--などという「ブロックチェーンへ記録する(ブロックチェーンのスマートコントラクトを起動する)前の真正性(トラスト)」は、依然として未解決のままです。サイカルトラストはこれを「AI時代のオラクル問題」と捉えています。本問題が解決されなければ「次世代AI・オンチェーン構想」なども形骸化してしまいます。
つまり、この問題は、AIガバナンスにおいて最も難しい問いを生み出しています。「どのAIが優秀か」ではなく、「そのAIの出力を、誰が、どの根拠で、どのように検証したのか」、「検証したAI自体は信頼できるのか・責任とれるのか」、「審査結果は後から検証可能か・説明責任を果たせるのか」といった問いです。
単一の巨大AIが、別のAIの安全性や真正性(トラスト)を判定するだけでは、審査主体の偏り、学習データの偏り、運営主体の利害関係、その他AIモデルのブラックボックス化(中身が見えない問題)といった構造的な課題を解決できません。AIを別のAIで審査する仕組み自体が、閉じた審査構造に陥るリスクを抱えるのです。
【専門用語の意味】
・「オラクル問題」:ブロックチェーンの外側にある現実世界の情報を、ブロックチェーンに正しく取り込むにはどうするかという根本問題。記録の改ざん耐性は高くとも、入力時点の真贋までは保証できないとされています。
・「AI時代のオラクル問題」:「オラクル問題」が、AIが生成した情報にも拡張された状態の問題のことをいいます。AI出力をそのままブロックチェーンに記録しても、その出力が正しいかどうかは別途検証が必要となることです。
・「ブラックボックス化」:AIモデル内部の判断過程が外部から観察・説明できず、なぜその結論に至ったか追跡不能となる状態のことをいいます。

第3章 この度の「分割出願」の位置づけ
既存特許は、あらゆる資産(商品・製品などの「物理的資産」、データ・コンテンツなどの「非物理的資産」、および両者を統合したRWAやデジタルツインなどの「ハイブリッド資産」)の真正性(トラスト)を担保するための検証情報を、機械学習により生成された評価モデルで評価し、その検証結果を出力する「鑑定証明システム(R)」に関する特許です。
この度の「分割出願」は、このうち特に「『マルチAI』によるオラクル問題の解決」に係る領域を、より明確かつ広範な権利範囲として切り出すことを目的としています。本「分割出願」の請求項範囲、構成要素、その他プログラム構造等の具体は、サイカルトラストの知財戦略上の理由から本リリースでは開示を控えます。
【専門用語の意味】
・「分割出願」:1つの特許出願に含まれていた複数の発明の一部を、別の特許出願として独立させて出願し直す手続き。元の出願日が維持されるため、戦略的に権利範囲を切り出すために用いられます。 ・「評価モデル」:AIの出力結果として得られる情報を判定、分類、その他スコア化するための数理モデルのことをいいます。

第4章 サイカルトラスト代表コメント
”クロード・ミュトス級AI”の登場により、AIは「便利なツール」から「社会基盤を左右する主体」へと進化しました。これから必要になるのは、AIを止めることではなく、AIの出力を採用する前に、真正性(トラスト)が担保されているかを多角的に検証する仕組みです。
単一のAI、単一企業、その他単一の検証主体に依存していては、検証構造そのものが偏ります(単一障害点問題)。異なる主体が運営する複数のAI(「マルチAI」)で相互に検証し、その結果を追跡可能な形で記録する--これが、AIガバナンスの未来における出発点だと私は考えています。
今回の「分割出願」は、そのための重要な知財戦略であり、「鑑定証明システム(R)」をAI時代に対応させる中核的なステップです。
サイカルトラストは、「ウソ・偽りのないトラストな世界を」というヴィジョンの実現に向け、AI時代の真正性(トラスト)担保インフラを社会に実装してまいります。

サイカルトラスト株式会社 代表取締役 須江 剛
第5章 サイカルトラストに関しまして
(1)会社概要
極めて重要性の高い分散型台帳技術(DLT)におけるブロックチェーン技術を利活用し、包括的なブロックチェーンソリューションを「国際標準規格(ISO/TC307 26345)」として昇華させることに邁進している企業です。
【公式Webサイト】
https://cycaltrust.co.jp/
【公式YouTube】
https://www.youtube.com/@cycaltrust_official
(2)加盟団体
・「国際標準規格(ISO/TC307)WG8」:国内委員
・JIPDEC主催「ブロックチェーン国際標準活動活性化研究会」:会員
・ 国際半導体製造装置材料協会(SEMI):関連会員(ブロックチェーンワーキンググループ参画)
・ 一般社団法人 ブロックチェーン推進協会(BCCC):会員企業
・ 一般社団法人データ社会推進協議会(DSA):賛助会員
(3)本件に関する報道関係者お問い合わせ先
【公式お問い合わせフォーム】
https://cycaltrust.co.jp/jp/#contact