― 日本における膀胱がん治療の新たな展開にむけ、2025年11月に患者会が発足―
- フェリング・ファーマは、2026年5月に「エドスチラドリン(R)膀胱内注入液」が日本初の膀胱温存を目指した遺伝子治療製品として承認を取得し、約30年ぶりに膀胱がん治療が新たな局面を迎えることを受け、エドスチラドリン(R)膀胱内注入液の臨床データ、作用機序に関する講演と昨年11月に発足した膀胱がん患者会の意義や役割について議論するメディアセミナーを2026年6月16日に開催しました。
- 膀胱がんは人口の高齢化を背景に、過去30年で国内罹患数は約3.5倍、死亡者数は約4倍に増加しているにも関わらず [がん情報サービス膀胱がん統計情報]、2025年11月まで膀胱がんに特化した患者会は存在せず、患者さん同士が繋がる場がありませんでした。患者会発足後、約半年間にて約120名が会員として参画するなど、患者さんのコミュニケーション環境にも変化が生まれています。
- メディアセミナーでは、治療の転換期における、患者さん同士の治療や治療の身体的、精神的負担に関する情報共有の場の重要性や、医師からの患者会への期待などが語られました。
【東京 2026年7月8日】― フェリング・ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:ジョン・プルバー、以下「フェリング・ファーマ」)は、2026年6月16日に、新たな局面を迎える膀胱がん治療でのエドスチラドリン(R)膀胱内注入液の臨床データ、作用機序に関する講演と患者会の意義や役割を議論するメディアセミナーを開催しました。
■約30年ぶりに動き出す膀胱がん治療
2026年5月、「エドスチラドリン(R)膀胱内注入液(ナドファラゲン フィラデノベク)」が日本初の膀胱温存を目指した遺伝子治療製品として、「BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内癌を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌ただし、BCG膀胱内注入療法の再導入の適応とならない 患者に限る」を適応として製造販売承認を取得しました。
膀胱の筋層に浸潤していない膀胱がんでは、再発・進展を抑えるためBCG膀胱内注入療法が標準治療の一つとして行われてきました。しかし、BCG膀胱内注入療法を行っても、12か月以内に再発する患者はリスク分類に応じて約8~42% と報告されています。[Fernandez-Gomez J, et al. J Urol. 2009] また、十分なBCG治療をおこなっても早期に再発したり病変が残存するBCG不応性と判断される場合には次の治療選択肢が重要になります[Passarelli R, Packiam VT]。こうした患者さんに対しては、膀胱温存を目的とした治療薬は承認されておらず、根治的膀胱全摘除術が標準的な治療選択肢であり、[エドスチラドリン膀胱内注入液 インタビューフォーム]フェリング・ファーマが2025年に膀胱がん患者さん200名を対象に行ったWeb調査では、97%の患者さんが膀胱全摘を避けたいと回答しているなど、重要なアンメット・メディカル・ニーズが残されていました[https://www.boukougan.jp/patient-survey/]。今回の「エドスチラドリン(R)膀胱内注入液」は、膀胱温存を希望する患者さんに対する治療選択肢の一つとなり得ます。
さらに本品は、泌尿器科領域で初となる遺伝子治療製品であり、かつ、非複製型アデノウイルスベクターを用いた製品です。本品を膀胱内に注入することで膀胱の細胞にベクターが導入され、膀胱内でインターフェロンα2bを持続的に発現させることで、局所的に免疫反応を高めるアプローチを採用しています。前述の同調査では、週1度の通院・治療を複数回継続する必要があるBCG膀胱内注入療法に対して、約7割の患者さんが何らかの負担を感じていることも明らかになっています[https://www.boukougan.jp/patient-survey/]。なお、本品の用法・用量は3か月に1回の膀胱内投与です。
■膀胱がん患者コミュニティの発足
膀胱がんは人口の高齢化を背景に過去30年で国内罹患数は約3.5倍、死亡者数は約4倍に増加[がん情報サービス膀胱がん統計情報]している一方で、長らく膀胱がんに特化した患者会が存在していませんでした。患者会や患者同士が繋がる場がないことで、実際、前述のフェリング・ファーマが行ったWeb調査では、57%の方が「十分な情報が得られなかった」と回答されたという結果も見られています。
こうした患者さん同士が経験や情報を共有する場の必要性が高まる中、2025年11月22日に代表・野村由利夫様、副代表・佐野潤一郎様により、膀胱がん患者会が設立されました。発足後約半年で約120名が会員として参画、アンバサダーの医師も既に10名を超えるなど、新たなコミュニティが形成されてきています。(会員数・アンバサダー医師数はいずれも膀胱がん患者会調べ)特に、膀胱がんの患者比率は男性が女性の約3倍[がん情報サービス膀胱がん統計情報]ですが、現在の患者会会員の比率は男性6割・女性4割と、特に女性にとってこのような情報共有の場が求められていた可能性が高いことも分かっています。既にオンラインでの患者会や海外の患者会とも意見交換なども行われ、今後も、オンラインでの患者会の他、各都道府県でのサロンなどを行いながら、将来的には日本泌尿器科学会との深い連携を目標としています。
■セミナーの内容
本セミナーでは、膀胱がん患者会の代表・野村由利夫様、副代表・佐野潤一郎様が登壇し、乳がんを経験後、患者会を立ち上げた桜井なおみ様がファシリテーターに、患者会設立の背景やご自身の治療、治療変革の意義について話されました。

野村由利夫様
代表の野村様は、膀胱がんの他、肺がんもご経験され、肺がん患者会の代表も務められています。膀胱がん患者会の設立背景について、一昨年、肺がんの再発と同時に膀胱がんが分かり、「膀胱がんはつらい治療の割に患者会がなく、心細い思いしたことがきっかけとなった」「患者会の活動が活発で患者さんの役に立っている肺がんと比べ、膀胱がんには患者会が存在すらしないことに疑問を持ち、設立に至った」と話されました。

佐野潤一郎様
佐野様も、「男性はがんを宣告されても、職場や家族に伝えないケースが多いと言われている。私は他の患者クラブを通じてたくさん友達ができ、今も交流が続いているため、そういった場を作りたかった」と語られました。
ご自身の治療や今回の治療の転換については、野村様より治療選択肢が広がることへの患者会としての期待が述べられました。

桜井なおみ様
最後に、こうした治療の変化における患者会の役割として、野村様から「患者同士で悩みを共有し、共感してもらえる場ができたことは大きい」と語られた他、一緒にご登壇された筑波大学医学医療系 腎泌尿器外科 教授 西山 博之先生からも、「患者会のアドバイザー医師として、患者さんが科学的に正しい情報によりアクセスできるようになる」と医師の視点からの患者会への期待について、語られました。

西山 博之先生
セミナーでは、また、西山 博之先生からBCG不応性筋層非浸潤性膀胱がんのアンメットニーズとエドスチラドリンの国内外の臨床成績についてご講演があり、聖マリアンナ医科大学 腎泌尿器外科学 主任教授 菊地 栄次 先生からは、エドスチラドリンの作用機序についてご講演がありました。西山先生は、「BCG不応性と判断され膀胱全摘術が推奨される場合でも、膀胱温存療法を希望する患者にはエドスチラドリンという選択肢を提示できるようになった」と述べられ、また、菊地先生は、「Syn3NODAによるバリア除去、⾮複製‧⾮組み込み型による安全性、持続的なインターフェロン産生、そして3カ月に1回という投与頻度がこの治療を支える鍵になっている」とコメントされました。

菊地 栄次先生
セミナーの終わりにフェリング・ファーマ株式会社 代表取締役社長CEO ジョン・プルバーは次のように締めくくりました。「セミナーでの議論を通じて、患者さんが直面する課題と治療選択肢拡大の重要性について認識を共有する機会となりました。フェリングは今後も患者・医療双方の視点に寄り添いながらイノベーションを推進し、啓発と治療の進展に貢献してまいります。膀胱がん領域の改善にはステークホルダーの連携が不可欠であり、日本でのさらなるエビデンス創出と適正使用情報の充実に取り組んでいきます。」

ジョン・プルバー
【開催概要】
■開催日時 :2026年6月16日(火) 16:15~17:30
■開催場所 :TKP東京駅カンファレンスセンター
(東京都中央区八重洲1-8-16 新槇町ビル 1階)
■プログラム:
[表: https://prtimes.jp/data/corp/144850/table/7_1_a9817a90bece7a4c05b42cbbee1e036d.jpg?v=202607091245 ]
【登壇者略歴】
西山 博之 先生 筑波大学医学医療系 腎泌尿器外科 教授
<経歴>
1989年 京都大学医学部附属病院研修医
1990年 大阪赤十字病院医師
1998年 インペリアル癌研究基金(英国)研究員
2000年 京都大学大学院医学研究科泌尿器病態学助手
2005年 京都大学大学院医学研究科器官外科学(泌尿器科)講師
2009年 京都大学大学院医学研究科器官外科学(泌尿器科)准教授
2011年 筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻
腎泌尿器科学・男性機能学分野 泌尿器外科教授
2012年 筑波大学次世代医療研究開発・教育統合センター 教育部門教授
2011年 筑波大学医学医療系 腎泌尿器外科学教授
2018年 筑波大学附属病院副病院長
2018年 つくばヒト組織バイオバンクセンター部長

菊地 栄次 先生 聖マリアンナ医科大学 腎泌尿器外科学 主任教授
<経歴>
1994年 慶應義塾大学医学部卒業
慶應義塾大学医学部研修医(泌尿器科)
1995年 北里研究所病院外科出向
1996年 慶應義塾大学医学部助手(専修医)(泌尿器科学)
慶應義塾大学助手(医学部泌尿器科学)
1997年 国立栃木病院出向
1998年 慶應義塾大学助手(医学部泌尿器科学)
1999年 東京都国民健康保険団体連合会南多摩病院出向
2000年 慶應義塾大学医学部助手(泌尿器科)
2001年 米国メモリアルスロンケタリング癌センターに留学
2003年 慶應義塾大学医学部助手(泌尿器科)
2004年 公立福生病院出向
2004年 博士(医学)取得
2005年 慶應義塾大学助手(医学部泌尿器科学)
2009年 慶應義塾大学専任講師(医学部泌尿器科学)
2017年 慶應義塾大学准教授(医学部泌尿器科学)
2019年 聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科学教授
2022年 聖マリアンナ医科大学腎泌尿器外科学主任教授 (名称変更)

野村 由利夫 様 膀胱がん患者会代表
<経歴>
肺がん患者会「ワンステップしゃちほこ」代表
膀胱がん患者会(Patient Association of Bladder Cancer)代表
大学にて機械工学を専攻後、国内外の自動車部品メーカーでエンジニアとして勤務。2016年に肺がん罹患、2017年に東海地区を対象とした「ワンステップしゃちほこ」を設立。中日本呼吸器臨床研究機構やがん拠点病院と連携した活動を行う。2024年春、肺がん再発と同時に膀胱がんの診断を受ける。治療選択や優先順位の決定に苦悩した経験から、全国を対象とした「膀胱がん患者会」を設立。

佐野 潤一郎 様 膀胱がん患者会副代表
<経歴>
北海道出身。創価大通信教育部をはじめ、東京女子大学・日本大学・文教大学などで教鞭をとる。現在は、環太平洋大学講師。男性がんサバイバーのオンライントーク会「男サバトーク」を主宰。2024年に、妻・佐野敬子を卵巣がんで亡くし、遺著『がんになった看護部長 病と向き合いながら生きる』を手に、全国のリレーフォーライフ会場を歩く。英米文化学会理事長

桜井 なおみ 様 全国がん患者団体連合会 理事
<経歴>
大学で都市計画を学んだ後、コンサルティング会社にてまちづくりや環境教育、排出権取引や費用対効果などを担当。がん罹患後は患者・家族の支援活動を開始、現在に至る。一般社団法人CSRプロジェクト代表理事。キャンサーソリューションズ代表取締役社長。技術士(建設部門)、社会福祉士、精神保健福祉士、産業カウンセラー。

▽フェリング・グローバル(以下「フェリング」)について
フェリング・ファーマシューティカルズは、研究開発主導型の非上場スペシャリティ・バイオファーマ企業として、人々のより良い人生と家族づくりを支援することに取り組んでいます。生殖医療領域のリーディングカンパニーであると同時に、消化器・泌尿器領域においても強い実績を有し、泌尿器がん遺伝子治療分野におけるイノベーションの最前線を走っています。1950年に設立され、本社はスイス・サン=プレに所在。現在、世界100か国以上で医薬品を提供し、7,500名を超える従業員を擁しています。
詳細は www.ferring.com をご覧いただくか、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LinkedIn、YouTube をご覧ください。
▽フェリング・ファーマ株式会社について
フェリング・ファーマ株式会社はフェリングの子会社として2001年2月に設立され、東京都港区に本社を置いています。
フェリング・ファーマは筋層非浸潤性膀胱がんや筋層浸潤膀胱がんの内容を含む患者さん向け情報サイト(https://boukougan.jp/)を運営しています。