同通知書の別添は、菌種の同定結果を「推定菌種」と記載。他方、大阪市は、「和歌山工場から分離され、プベルル酸を生成することが確認されたアオカビと同種」との記載は、独自に検証を行った記録はないと回答。
本日提出した書面
株式会社薫製倶楽部(岡山県都窪郡早島町、代表取締役・薬剤師 森雅昭)は、令和8年8月23日付で、地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所(以下「大安研」)理事長宛に「科学的疑義申立書」を提出しました。電子メールにて送付するとともに、原本及び添付書類一式を郵送しています。
本書は、文書の公開を求めるものではなく、科学的な説明を求めるものです。回答期限は令和8年9月11日(金)必着としています。
添付書類は次の4点です。
(1)検査結果通知書(健安細菌第300号、令和6年12月4日付、検査依頼番号R6-1007)写し
(2)行政文書不開示決定通知書(厚生労働省発健生0729第5号、令和8年7月29日付)写し
(3)行政文書開示決定通知書(厚生労働省発健生0731第4号、令和8年7月31日付)写し
(4)不存在による非公開決定通知書(大阪市 大大保第8290号、令和8年8月17日付)写し
■ 経緯として整理している事実
1 令和6年5月29日の公表
令和6年5月29日に開催された第3回大阪市食中毒対策本部会議の資料3「原因究明の進捗状況」には、旧大阪工場の拭き取り検査により分離されたアオカビについて、遺伝子検査により Penicillium adametzioides と同定した旨、及び「P. adametzioidesは、小林製薬により和歌山工場から分離され、プベルル酸を生成することが確認されたアオカビと同種」との記載があります。
2 大阪市の回答(大大保第8290号)
当社は、上記の記載の根拠となる文書等について、令和8年8月1日付で大阪市に公開請求を行いました。これに対する令和8年8月17日付の不存在による非公開決定(大大保第8290号)の別紙には、当該記載について次のとおり記載されています。
「小林製薬株式会社自らによる取組に関する確認内容を踏まえて資料に反映させたものであるが、その確認内容に関する記録はなく、またその小林製薬株式会社の取組について本市が独自に検証を行った記録はなく、検証を行わないとした判断に関する記録もないため」
当社が公開を求めた「独自に検証を行った事実が分かる文書」の対象には、(1)当該アオカビが和歌山工場から分離されたという事実、(2)当該アオカビがプベルル酸を生成するという事実、(3)旧大阪工場の拭き取り検査により分離された株と和歌山工場由来とされる株との異同(種レベル及び株レベルのいずれについても)の三点をいずれも含めています。
また同決定では、大安研が小林製薬株式会社から菌株の提供を受けた経緯に関する記録、当該菌株の由来に関し同社から提出された文書、及び当該菌株が同社工場に実在した菌株と同一であることを確認するために実施した措置に関する記録についても、いずれも「本市において」保有しない旨が記載されています。
3 大安研の検査結果通知書(健安細菌第300号)
旧大阪工場の拭き取り検査については、大安研から大阪市健康局長宛に、令和6年12月4日付の検査結果通知書(健安細菌第300号、検査依頼番号R6-1007)が発出されています。当社は情報公開請求によりこの文書の公開を受けています。
同通知書は、検査項目の名称を「プベルル酸産生性真菌」と表示し、複数の検体について「陽性(Penicillium adametzioides ○株分離)」と記載しています。
一方、同通知書の別添の一覧表には、次の記載があります。
・同定結果欄の列見出しは「シークエンス(ITS領域 and/or β-tubulin領域)による同定結果(推定菌種)」とされています。
・最右欄は「備考/プベルル酸産生」とされ、各分離株について「陽性」又は「陰性」が記載されています。
・「陽性」とされた分離株は、当社が確認しうる限りいずれも同定結果欄が「P. adametzioides」とされたものであり、他の菌種名(P. citrinum、P. cyaneum ほか、P. brocae、P. hispanicum、Talaromyces sp.)が記載された分離株は、いずれも「陰性」とされています。
・同定結果欄が空欄であり、シークエンスが実施されたことを確認できない多数の分離株についても、「プベルル酸産生」欄には「陰性」と記載されています。
■ 当社が確認を求めている点
当社は薬剤師が経営する食品製造業者として、微生物が特定の物質を産生するか否かは、菌種ではなく個々の株が備える性質であると理解しています。この理解を前提とする限り、菌種の同定結果から、その株が特定の物質を産生するという結論を導くことはできません。
もっとも、当社は当社の理解のみをもって大安研の判定を否定するものではありません。申立書では、次の各点について書面によるご説明を求めています。
(1)検査項目「プベルル酸産生性真菌」について、「陽性」及び「陰性」の判定基準(判定に必要な操作及び充足すべき要件)
(2)別添の「プベルル酸産生」欄の記載は、各分離株を培養し、その培養物についてプベルル酸の産生を実測した結果を記載したものか
(3)実測した場合、その分析法、標準品の供給元・ロット番号・純度証明の有無及び初回受領年月日、標準品との保持時間及びマススペクトル等の対比の内容、検出下限及び定量下限、一次データの保存の有無
(4)実測していない場合、「陽性」「陰性」は何を根拠として記載されたものか
(5)同定結果欄が空欄の分離株について「陰性」とした根拠
(6)別添が「推定菌種」と表示している一方、本文が「プベルル酸産生性真菌 陽性」と表示していることについて、両者の関係をどのように整理しているか
(7)二次代謝産物の産生能が菌種ではなく株に依存する形質であることについての見解、及び本件において菌種の推定同定をもって産生性の判定に代えた事実の有無
(8)令和6年12月4日の通知書発出前に、大安研から大阪市に対し本件検査の結果に関する連絡又は報告を行った事実の有無、及び行った場合のその内容と時期
■ 述べていること、述べていないこと
本リリースで述べているのは、当社が大安研に対し本日付で科学的疑義申立書を提出したという事実と、当社が公開を受けた各公文書に上記の記載があるという事実です。
当社は、大安研が実施した検査の結果が誤りであると述べるものではありません。また、大安研又は大阪市の職員個人の責任を問うものでもありません。当社が求めているのは、通知書の記載を科学的に検証可能なものとするために必要な説明です。
本件の因果関係及び違法性についての判断は述べていません。
■ 直近1か月に当社が提出した書面と回答期限(主なもの)
・令和8年8月14日付 質問書(大阪市保健所長宛) 回答期限 8月28日
・令和8年8月16日付 確認書(大阪市保健所長宛) 回答期限 8月31日
・令和8年8月18日付 質問書(試験に供された検体の入手経路について。大阪市保健所長宛) 回答期限 8月25日目途
・令和8年8月18日付 質問書(第2)(厚生労働省の保有文書との整合性について。大阪市保健所長宛) 回答期限 9月1日
・令和8年8月22日付 最終要求書(兼 通告)(大阪市保健所長宛) 回答期限 9月4日
・令和8年8月23日付 科学的疑義申立書(大安研理事長宛) 回答期限 9月11日
いずれについても、回答を受領した場合又は回答期限を経過した場合には、改めて公表いたします。
■ 本リリースについて
(1)行政機関の決定における「記録はない」「保有していない」との記載は、当該機関がその文書を保有しているか否かについての回答であり、科学的知見一般の存否についての判断ではありません。
(2)大大保第8290号の不存在は、当社が令和8年8月1日付で行った公開請求の各項目の範囲に係るものです。
(3)Penicillium adametzioides は、アオカビ(Penicillium 属)に属する一つの菌種の名称です。属・種・株の区別に関する本リリース中の記述は、当社の理解を述べたものです。
(4)検査結果通知書(健安細菌第300号)の記載に関する記述は、当社が情報公開請求により公開を受けた文書の記載に基づくものです。同通知書の別添には非公開部分が含まれています。
(5)本リリースは、大安研の回答を得る前の段階のものです。回答の内容によって当社の理解が変わる場合には、その旨を公表いたします。
(6)本件に関する当社の資料は次のページに掲載しています。https://kunsei.com/archives/category/benikoji
■ 会社概要
会社名:株式会社薫製倶楽部
代表者:代表取締役・薬剤師 森 雅昭
所在地:〒701-0303 岡山県都窪郡早島町前潟611-1
事業内容:薫製食品の製造・販売
ブランド:倉敷ソーセージ
電話:086-483-0602
電子メール:sales@kunsei.co.jp
紅麹関連情報:https://kunsei.com/archives/category/benikoji
